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第75回全国高校選手権大会

8月6日~11日 大阪市中央体育館

 男子学校対抗:青森山田が2連覇を果たす


青森山田がオール3-0で優勝

平成18年度第75回全国高校総体は、8月6(日)~11日(金)まで大阪市中央体育館で開催された。会場には各都道府県予選を突破した約1000人の高校生が集い、熱戦を繰り広げた。

男子学校対抗は、青森山田(青森)が圧倒的な強さを見せ、1回戦から決勝までオール3-0のスコアで、完璧な優勝を果たした。
連続優勝のプレッシャーもあっただろうが、高木和、水谷の世界代表コンビに、大矢、松平を絡めた全く死角の無い布陣で、文句なしの2連覇を果たした。



男子学校対抗優勝 青森山田(青森)
超高校級メンバーを揃え、常勝チームとしての貫禄を見せつけて2連覇を達成。
来年は、水谷を中心としたチームで3連覇に挑む

2位に入った仙台育英(宮城)は、エース軽部と明を中心に、準決勝では1点を失うものの、安定した力で決勝へ進出し、昨年に続き青森山田と顔を合わせる。決勝では、カットの平屋を投入するなど、意表をつくオーダーで勝負するも、王座奪回はならなかった。

3位には、東山(京都)と富田(岐阜)が入った。
東山は、笠原と足立が両ハンドの素晴らしい当たりを見せて、昨年のベスト8からランクアップを果たし、名門復活をアピール。李、澤口、北村、藤田ら粒ぞろいチームの富田は、第3シードの愛工大名電を、2回戦3-2で下してのベスト4入り。準決勝でも仙台育英に対し、互角に近い戦いを演じた。


 女子学校対抗:秀光(宮城)が同校初の3連覇を達成


秀光が青森山田を3-2で下す

女子学校対抗は、秀光中等教育(宮城)が優勝し、同校初の3連覇を成し遂げた。
全日本ジュニアチャンピオンの照井、東北1位の王、カットの石垣ら、層の厚い布陣で、5番までもつれ込んだ決勝も、3-2で青森山田を下した。
特にカット&攻撃ペアの石垣と照井のダブルスが充実、全勝の大活躍であった。
決勝でも福原・石川ペアに対し、カット&カウンター攻撃の素晴らしいコンビネーションプレーを随所に決めるなど、チームの主軸としての役割を十二分に果たす、素晴らしい活躍ぶりであった。



女子学校対抗優勝 秀光中等教育(宮城)
選手とベンチから“絶対に優勝したい”という気持ちが伝わってくる雰囲気だった。表彰式で、選手たちの満足感と自信に溢れた表情が印象的だった

青森山田は、今回がインターハイ初出場となった福原愛がチームに加わり、秀光に勝る勢いもあったが、惜しくも2位に屈した。
エースの福原は得意のバックハンドの攻撃を中心とした速攻で他選手を圧倒し、李、池田らの要所での活躍が光った。

3位には、男子と共にアベック3位を果たした富田(岐阜)と、日南学園(宮崎)が入った。
富田は、3回戦で四天王寺(大阪)を下しての入賞。
大野、明石、中村の全員卓球が光った。
日南学園は、一昨年1回戦敗退、昨年ベスト8、そして今大会は3位入賞。
2年生の加藤、孟を中心に、来年の更なる活躍が期待される。


 男子シングルス:高木和が念願の優勝を飾る


高木和が優勝。三冠王に輝く

学校対抗で圧倒的な優勝を飾った青森山田の強さが、シングルスでも目立った。その中で、優勝を果たしたのは高木和卓。両ハンドの重いドライブを武器に、甲斐(明豊)、李(富田)を下し、決勝では同僚の大矢に4-2で勝利。

 

男子シングルス優勝
高木和 卓(青森山田)

昨年、準優勝に終わった悔しさを晴らすように、優勝へ突き進んだ。
得意の両ハンドドライブに加え、台上技術、サービスなども改良され、より洗練された印象を受けた。優勝後の記者会見で「次の目標は全日本で優勝することです」と答えていた高木和。
今大会で三冠王を成し遂げ、この経験と結果が次のステップへ進むためのターニングポイントとなることであろう。

 


「今回の大矢はとても調子が良かった。彼は当たり出すと止まらなくなってしまうので、最後まで優勝を意識することはできなかった。サーブ&3球目で得点していこうと考えていた」と、試合を終えた高木和がコメントを述べた。
その大矢は、準決勝では、分の悪い水谷(青森山田)を4-2で抑え、決勝へ進むが、惜しくも2位に終わった。
持ち前のリスキーなフォア攻撃に加え、今大会ではバックの固いブロック技術も光っていた。

3位には、準々決勝で松平(青森山田)との激しい打撃戦を制し、キレのあるドライブ攻撃で勝ち上がった李萌(富田)と、素晴らしいボールタッチと世界レベルのテクニックを持ちながらも、大会後半に、やや精彩を欠いた水谷準(青森山田)が入った。

ベスト8に入った池田(清水国際)、甲斐(明豊)、松平(青森山田)、明(仙台育英)のうち、甲斐、松平、明の3選手と水谷は2年生。
再び大混戦が予想され、来年の男子シングルスが注目される。


 女子シングルス:宇土が会心のプレーで優勝を果たす


宇土が自身初の全国V

今大会の女子シングルスは、予想を裏切る波乱が多々起こった。
相次ぐシード選手の敗退、新人選手の上位入賞。
そして、波乱と言うよりも“圧巻”と言えるのが、宇土弘恵(就実)の優勝であった。
 

女子シングルス優勝
宇土弘恵(就実)

「ダブルスの決勝で愛ちゃんのペアに惜敗したので、シングルスはリベンジしたい気持ちがあった」と話していた宇土。
決勝では、充実していたバックの攻守技術を軸に、時折見せたフォアでの思い切った攻撃で、福原にペースを譲らなかった。第1シードの石垣(秀光)を下した、カット攻略も見事だった

 

注目の福原愛(青森山田)も順当に勝ち上がり、決勝へ進出。「愛ちゃん有利」と仮定するのが妥当だったが、いざ決勝が始まるとその仮定を覆すような宇土のプレーに、観衆はどよめいた。
「過去に3回対戦して、競り負けていた。今回は彼女とあたった時のことを考えて、1ヶ月前から作戦を立て、準備をした」と、試合後の宇土のコメント。
その準備が整い、精神面の充実も感じられた宇土は、4-0で福原を下した。
ショックを隠しきれない福原だったが、「宇土さんに負けたことをバネに、また頑張りたい。宇土さんは本当に強い」と語った。
悔しいだろうが、相手に敬意を示す彼女のコメントに、これからも努力を重ね、前進しようとする福原の決意が感じられた。

3位には、両ハンドの安定した攻守で1年生ながら大健闘した須磨睦(就実)と、前陣のスピード感あるバックハンド攻撃が魅力の王曼(秀光)が入った。

ベスト8には、加能(遊学館)、田中(山陽女子)、若宮(尽誠学園)、中山(四天王寺)が入った。

 The Match of Interhigh 宇土 vs 福原

大波乱が起きた。
多くの人が予想だにしなかったこの出来事は、しかし、1ヶ月も前から入念にかつ周到な準備が施された産物であり、勝利者にとっては待ち焦がれていたものだったのかもしれない...
    *     *
ほとんどのファンは、女子シングルスでの福原愛(青森山田高)の戴冠を間違いないものと認識していたのではないか。世界のトップ選手と互角に渡り合う技術、同年代の国内選手には負け知らずという実績などからである。

女子団体決勝でカットマンの石垣(秀光中等教育学校)にセットオールに持ち込まれ苦戦を強いられたとはいうものの、シングルスに入ると順調に勝ち進んでいた福原。
それは、抜群の安定感を誇っているようであり、圧倒的な存在感で他の追随を許さないようにも映っていた。

一方、決勝で相対する就実(岡山)のエース・宇土は、この試合に賭ける意気込みを、
「絶対に勝とうと思って、1ヶ月前から作戦を練っていました」
と試合後に明かしたとおり、ほぼ完璧に近い戦術で臨み、見事に大金星を上げたのである。

【第1セット】
1台だけのコート。動かない空気が緊張感を醸し出す中、福原のサービスで決戦がスタートした。
2ポイントを連取した宇土は、次の1球、素晴らしいボールを叩き込む。バックハンド強打が福原のフォアサイドを襲って得点したのだ。そして、サービスエースで4‐0。見事なスタートダッシュだ。
バックの打ち合いだけでは福原に分がある。そこで、早い時期にフォアを攻め、でき得れば左右に大きく揺さぶる。これが宇土の練り上げた戦術だったのだ。
事実、終盤10‐9と宇土リードの場面、バックの強打を2本フォアへ連打し、そして甘くなった返球に対しフォアハンドの強ドライブでとどめを刺した。

【第2セット】
2セット目に入っても、宇土の戦い方に迷いは見られない。というよりも、むしろ勝負どころでそれは冴え渡ったとさえいえる。たとえば、4‐4で3球目フォアドライブを決め、6‐5の場面では福原の強打を前陣ブロックで抜き去った。
さらに8‐7のときバックハンドのレシーブでフォアを攻め得点、などなど。結局、このセットも9本で宇土が奪う。

【第3セット】
ようやく福原にエンジンがかかってきた。
5‐1とペースをつかみ、バックスマッシュを決めるなど巻き返し態勢に。
7‐5から10‐7と、押し気味の内容でリードを保つ。
2セットを取った宇土は、勝利を意識したのか若干消極的になっていた。
しかし、福原のセットポイントとなったここから、思い描いていたプレーが蘇り、逆襲に転じる。
そして、なんと5本連取して大逆転に成功したのだ。宇土の3セット連取に、場内が大きくどよめいた。
その5本のうち2本がサービスエース、1本は3球目フォアのスマッシュ、そしていま1本は積極的なレシーブが得点に結びついた。

【第4セット】
セット間にフェンス際でしゃがみ込み、苦しそうな表情の福原。
挽回する力は、もはや残っていなかった。
ペースが速くなり、チャンスボールをイージーミスするなど、考えられないようなプレーが続出した。
一方の宇土は、自信が確信に昇華したかのようなプレーだ。
1度もリードを許さず、6本でこのセットを取りチャンピオンの座を自らの力で手繰り寄せたのだ。
    *     *
今回の宇土の戦い方には、ブレるところがまったくなかった。
なすべきことが明確になっていたことの証明だろう。素晴らしい戦術だった。さらに期待したい。

逆に、福原にはいつものスピードと切れがなく精彩を欠いていた。「らしさ」がなかったのは事実だ。
そこには、追われる者の見えざるプレッシャーがあったのだろう。

「負けたことは残念ですが、でもこれで、これからは思い切ってやれると思います」(福原)
ただ、これで福原のトップアスリートとしての技術や存在感は、決して色褪せることはない。敗れたとはいえ、心まで折れたわけではないのだから--。
文・青柳雄介

 男子ダブルス:高木和・水谷が圧倒的勝利


高木和・水谷、貫禄のV

男子ダブルスは、高木和卓・水谷隼(青森山田)が優勝。
安定した攻守で、昨年に続く連覇を果たした。準決勝では、東山ペアの激しい連続攻撃に苦戦を強いられるも、最後はしっかりと勝ちをものにする辺り、世界代表の貫禄が感じられた。

男子ダブルス優勝
高木和 卓・水谷 隼(青森山田)

高木和のパワーと、水谷のテクニックをフルに活かし、2連覇を果たした。技術的には、台上で先手を取る巧さ、相手の読みをはずしたレシーブのコース取り、両ハンドドライブのキレが非常に良かった。

 

2位には、軽部隆介・明晨(仙台育英)が入った。
明の変化サービスと、軽部の決定力のあるスピードドライブが上手く噛み合うプレーで、ほとんどセットを落とすことなく勝ち上がったが、決勝では、自分たちの卓球を封じ込められてしまった。

3位には、足立智哉・笠原弘光(東山)と、甲斐義和・江藤遼(明豊)が入った。
足立・笠原は、準決勝で、高木和・水谷に対し、大接戦のセットオール9本で惜敗するも、ドライブを広角に打ち分ける、素晴らしい攻撃プレーを随所に見せた。
唯一、高木和・水谷からセットを奪ったペアは、足立・笠原のみ。
準決勝を競り勝てば、十分に優勝のチャンスはあった。
甲斐・江藤は、堅実なドライブ攻撃と、戦術的なプレーで2年生ペアながら3位入賞。
学校対抗戦にも、主軸として活躍していた二人だけに、来年のインターハイでの活躍と逆襲を、今から狙っていることだろう。

 女子ダブルス:福原・李に栄冠 


福原・李が初優勝

強豪ペアが多く、混戦が予想されていた女子ダブルスであったが、福原愛・李明明(青森山田)が、初優勝を飾った。
福原が、攻守にわたり李を終始リードし、福原の世界クラスの速攻と、李の長身を活かしたシャープな攻撃が、上手く噛み合っていた。

女子ダブルス優勝
福原 愛・李明明(青森山田)

大事な場面での強さが光った。流れが劣勢に変わってしまいそうな1本の時こそ、福原のカウンターとバックハンドの強打、李の鋭いフォアドライブが冴えた。

 

2位に入った、宇土弘恵・中島慶子(就実)は、シェーク攻撃型とペン表ソフト速攻のペア。宇土のパワフルな両ハンドと、中島の変化のあるフォア攻撃を軸に、並み居る強豪ペアを下した。

3位には、照井萌美・石垣優香(秀光)と、川畑舞・高瑜瑶(秀光)が入った。
照井・石垣は、激戦となった準決勝の宇土・中島戦に2-3で惜しくも敗れたが、もし、勝っていれば、福原・李ペアとの決勝となり、福原がカットに対し、やや苦手意識を持っているだけに、優勝のチャンスはあったかもしれない。
川畑・高は、高がチャンスメイクをし、川畑が全身のバネを使って放つフォアドライブが光っていた。

男子のように、台から離れての打ち合いがほとんど見られない女子卓球。メンタルの強さはもちろんだが、やはり、両ハンド速攻を軸にした、プレーの多様性とバリエーションなどが、勝敗に結びつく印象を持った。

詳細は「ニッタクニュース2006年10月号」に掲載しています
マンスリースペシャルは NITTAKU NEWS より抜粋してウェブ上で公開しています。

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