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2024年全日本選手権大会(以下、全日本)、男子ダブルスで優勝を果たしたのは、日本大学の小林広夢・伊藤礼博(日本大)ペア。昨年敗北を喫した及川瑞基・松島輝空(木下グループ・木下アカデミー)を準決勝でくだすと、決勝では前回王者の張本智和・森薗政崇(智和企画・BOBSON)に勝利し、初優勝を果たした。
個人戦、団体戦を通じて、全国大会での優勝は初という伊藤礼博のインタビューを2回にわたって掲載する。
――1週間ほど経って今のお気持ちはいかがでしょうか?
やっと実感が出てきました。いろいろな方からお祝いメッセージをいただいて、本当に優勝したんだなって。準決勝からは僕以外全員Tリーガーというすごいメンバーだったので、本当に優勝できるとは思っていませんでした。
――初戦となった4回戦から振り返っていこうと思います。初戦の入りはどうでしたか?
まずベスト8を目指すうえで勝負となるのは、村松(雄斗/鹿児島県スポーツ協会)さん、町(飛鳥/ファースト)さんのカット・攻撃ペアだと思っていたので、対策はしっかりと練っていました。
結局このペアは棄権して、石黒(翼)さん・吉田(俊暢/ともに関西卓球アカデミー)さんペアと対戦したのですが、同じくカットと攻撃のペア。広夢さんにも「同じようにやればいいんじゃない」と言われて、良い感じにプレーできました。
初戦だからという緊張はあまりなかったですね。
――続いて5回戦では、カットペア(木村飛翔・白山 遼/駒澤大)に1ゲームを奪われました。
このペアとは全日本大学総合選手権・個人の部(以下、全日学)でも当たっていて、その時はツッツキで粘る作戦でした。同じようにやれば大丈夫と思っていたのですが、前回よりも相手の攻撃が冴えていて、こちらも焦って打ちに行ってしまいました。
3ゲーム目から初心に戻ってツッツキに徹したら、逆に相手が焦り始めて逆転できました。ついつい僕が打ってしまうので、全日学の時も広夢さんに怒られながらツッツキをしていたんです(笑)。
今回は本当に危なかったです。
――準々決勝は、実業団の強豪ペア(松下海輝・藤村友也/日鉄物流ブレイザーズ)との対戦。
1ゲーム目は僕の台上処理が上手くいかず、浮いた球は打てないし、自分の返球は浮いて相手に打たれてという展開が多かったです。2ゲーム目からは、まずは入れようという考えにしたところ、ラリー戦につなげることができました。
3・4ゲーム目はゾーンに入っていて、ラリーで打ち負けなくなって勝つことができました。2ゲーム目に切り替えられたのが大きかったです。
――準決勝は、昨年負けている及川・松島ペア。今回はどんなプランで臨んだのでしょうか?
松島選手のチキータがすごいので、それを封じるために下回転の切れたサービスのみを出すようにしました。戦術としては、そこが1番の要でしたね。
しかし、2・3ゲーム目はサービスを切っても松島選手に思いきり打たれて、僕たちもしょうがないという感じでした。
――そこからどうやって逆転できたのですか?
相手が勝ちを意識したのか、「思いきりいってミスしたらもったいない」という気持ちがあったのではないかなと思います。僕たちも気持ちで押せているという感触があって、4ゲーム目を奪取。最終ゲームも前半から飛ばして5-1でリードでき、さすがにあの強いチキータは来ないし、来たとしても入らないのではと思っていました。最後はネットインなど運もあって逃げ切ることができました。
――決勝進出が決まった時はどんな気持ちでしたか?
決勝という、あの一台だけの舞台でできるということが嬉しかったですし、テレビで放送されると聞いていたので、すぐに友人に「出るから見て」と(笑)。
まずは試合を楽しみたいという気持ち。ただ、決勝まで来たのだから、絶対優勝したいとも思ったので、頑張りつつも楽しもうという感じでした。