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月刊卓球雑誌ニッタクニュース

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アスリートファイル「小西杏(アスモ)」

五輪での活躍、それが小学生からの夢---
五輪での活躍、それが小学生からの夢---


新しい自分の卓球を模索しながら---

5年前、01年の世界選手権は大阪で行われた。

会場の大阪市中央体育館は私設の応援団がスタンドを盛り上げ、それに後押しされるように日本女子の快進撃が続いた。

ベスト8に進出し、いよいよメダルを賭けた準々決勝。相手は、エースのシュテフがいる強豪・ルーマニアだ。
この大一番で、要の3番に近藤欽司監督が起用したのは小西だった。
シュテフに2ポイント取られるのは仕方ないとしても、他の選手から逆に2点奪える。すると、勝負の行方は3番の小西に委ねられる。

まだ1セット21点制だったこのとき、小西はペースをつかめず、バックが表ソフトのナスターゼを相手に第1セットを簡単に失ってしまう。
続く第2セットも、気がつくと11‐19。絶体絶命の日本ベンチ。
打開を図るものの15‐20とマッチポイントを握られる。しかも、サーブ権は相手にある。
「私が勝たなきゃ、と思ったらすごく緊張してしまったんです。全然ダメで、どうしようって感じでした。いま思い出しても震えてくるほどです」

こう振り返る小西だが、そのときは、
「負けたらあかん!」と、ただそれだけを頭の中で反芻していた。
ベンチの方を向くと、全員が両手を胸の前にし、まるで拝むように必死で応援していた。観客席もまた同じだった。
ベンチもスタンドも、ひとつになった気持ち。
それが小西に乗り移り、ここから奇跡の5ポイント連取で何とジュースに追いついたのだ。

まるで勝ったように盛り上がるが、ここから熾烈な競り合いが続く。小西はジュースで先に1本が取れない。つまり、ジュースでも常にマッチポイントを握られるという苦しい展開になる。

大接戦は、30‐30になっても決着がつかない。
ここで、ついに小西がポイントを上げる。
この試合で初めてのリードであると同時に、小西のセットポイントだ。

次も得点し、大逆転でセットオールに。
最終第3セットは、楽になった小西が大差で奪い勝利をモノにした。

「もう一度、同じことをやれと言われても無理ですね(笑)
でも、私の1点があって銅メダルを獲得できて、みんな本当に喜んでくれてうれしかったですね」
(小西)
このときから今年の世界選手権まで、日本女子は3大会連続で銅メダルを獲ることになる。その嚆矢が小西の粘り強いプレーにあったのだ。

しかし、このころの小西は深い悩みに包まれていた。
ルール変更があり、40ミリボールに慣れなかったのだ。
「同時にいろいろなことが重なって、卓球が嫌で嫌で仕方なかった。
毎日のように、辞めたいとそればかり思っていたんです。
辛かったです。苦しかった...です。
世界選手権で銅メダルを獲って、その後も期待されてはいましたが、そんな状態だったから自信なんてまったくありませんでした」

と言う小西は、ではなぜ辞めることなく卓球を続けてきたのか。

「きっと、卓球が自分を一番表現できるからなんだと思います。簡単に言ってしまうと、卓球が好きなんですね」
そう話す小西には、もうひとつ大きな味方がいる。家族である。

自分をここまでの選手に育ててくれた父・義雄さんと、卓球を始めるきっかけを作ってくれた兄。2人はいつも、スタンドから大きな声で励ましてくれる。
「ときどきタイミングが悪くて、サーブを出そうとしたときに?集中!″なんて聞こえてきて、ずっこけて集中できなくなってしまうんです。だから、父は出入り禁止にしました(笑)
とは言うものの、その本心は、親身に応援してくれる者のいる強みを感じさせる。

「これからは、皆に感謝しながら、新しい自分の卓球を作り上げていきたい。ニュー小西で、国内でも世界でも活躍する自信があります。期待してください」(小西)

生き方に、杏の木のような確固たる軸があり、ブレることがない。

そこから、アスリート・小西杏の新たな卓球が生まれてくる。

 

 

東京都出身。

淑徳学園中―四天王寺高。
平成7年全国中学校大会女子単優勝。
平成10年インターハイ女子優勝。
01年世界選手権大阪大会女子団体3位。
平成17年度全日本2位。
ニッタク用具契約選手。
使用ラケットは「ニッタク特注」、ラバーは「キョウヒョウプロIII、ハモンドFA」を使用。

 
取材・文/青柳雄介
詳細は「ニッタクニュース2006年8月号」に掲載しています
マンスリースペシャルは NITTAKU NEWS より抜粋してウェブ上で公開しています。

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