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2020.05.26

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2011年世界選手権ロッテルダム大会を振り返る(2011年7月号から)

  • 2011年7月号表紙

昭和22年創刊、この5月に800号を迎えたニッタクニュースのバックナンバーから編集部がピックアップしてお届けするページです。

 

 

世界選手権ロッテルダム大会は、5月8~15日まで、オランダ・ロッテルダムで行われた。男子単で、張継科(中国)が優勝し、現在では主流技術となっている「台上レシーブ攻撃」が卓球界に広まる大会となった。女子単では丁寧(中国)が初優勝した

 

2011年世界選手権ロッテルダム大会の結果はこちら!

 

女子単で丁寧が初優勝!! 

 

 男子単は、張継科と王皓(ともに中国)が決勝で対戦。準決勝のボル(ドイツ)に勝利した張が、決勝でも得意のチキータ、変化のわかりにくいYGサービスからの攻撃を展開し、王を下した。王は、2009年横浜大会から連覇を狙ったが残念な結果に。
 女子単決勝は、丁寧と李暁霞(ともに中国)が対戦。丁が3ゲーム先取するが、4ゲーム目は李が取る。5ゲーム目は、丁が8-4とリードするが、優勝を意識したのか逆転されてしまう。6ゲーム目は、李が5-0とリードするが、丁が1本ずつ落ち着いてプレーし、マッチポイントを握り、最後は、得意のフォアハンドドライブで得点をあげ、丁寧が初優勝を決めた。

<男子単>

準決勝   王皓(中国)4(7,-9,-7,10,7,9)2 馬龍(中国)
      張継科(中国) 4(-7,5,3,3,9)1 ボル(ドイツ)

決勝    張継科 4(10,7,-6,-9,5,12) 2 王皓

 

優勝の張継科(画像は2015年より)

 

3位だった馬龍

 

<女子単>

準決勝   李暁霞(中国) 4(5,6,7,8)0 郭躍(中国)
      丁寧(中国) 4(-11,9,-8,6,8,6)2 劉詩雯(中国)

決勝    丁寧 4(10,11,9,-8,-8,7)2 李暁霞

 

「2010モスクワ大会の失敗(結果)があるからこそ、今があると思います。スポーツ選手は毎日が順調とは限りません。困難を乗り切ってこそ、成功があると思います」と優勝記者会見で語った丁寧

【日本代表の結果】

男子

水谷隼…単ベスト8、複3回戦負け
岸川聖也…混合複、銅メダル。単・複3回戦負け
丹羽孝希…単2回戦、複3回戦負け
松平健太…単1回戦、複3回戦負け
松平賢二…単1回戦負け、複ベスト8、混合複3回戦負け
張一博…単3回戦負け、複ベスト8

女子

福原愛…混合複、銅メダル。単・複3回戦負け
石川佳純…単・混合複4回戦、複3回戦負け
平野早矢香…単4回戦負け
藤井寛子…単3回戦負け、複ベスト8
若宮三沙子…単2回戦、混合複3回戦負け、複ベスト8
石垣優香…単2回戦、複3回戦負け
山梨有理…複3回戦負け
谷岡あゆか…単2回戦負け

 

日本代表の結果はこちら!

 

~こぼれ話~

1 中国語は、卓球界の共通語!?

2010年モスクワ大会に続きロッテルダム大会を取材。会場が広く、迷子になっていると現地メディアのロイさんが声をかけてくださった。ロイさんは北京に3年間留学していたこともあり、中国語を使っての案内。英語も大切だけど、卓球界の共通語は「中国語」であると認識!?

 

2 決勝前にまさかの出来事

男子決勝が開始時刻になっても始まらない。後でわかったことだが、決勝前のラケットコントロールで王皓選手のラバーが本人の確認もなく審判に剥がされる、という事件が起きていたとのこと。何があるかが分からないのが世界選手権というけれど…。

 

3 明と暗。勝負の世界は厳しい

中国は、この大会の結果で2012年ロンドン五輪シングルス代表を決めることになっていたので、試合に賭ける気持ちが凄まじかった。男子では、馬龍選手が優勝しないと世界ランキングのポイントで逆転できない状況、王励勤選手も一発逆転を狙っていた。女子では、劉詩雯選手が代表を狙っていたが、惜しくも叶わなかった。
全日程終了後、中国チーム主催の食事会に参加することができた。シングルス代表を決めた選手は喜んでいたが、代表権を獲得できなかった選手は悔しさを抑え、食事をしていた。中には号泣していた選手も…。馬龍、劉詩雯の後の活躍は、この時の悔しさが起爆剤となったのかも、と懐かしく思い出す。

 

4 丁寧選手は、対応も丁寧

丁寧選手がニッタク契約選手ということもあり、面識はなかったものの、表彰式後勇気を持って、写真を撮らせてくださいと声をかけた。「もちろんです。私で良ければ好きなだけ撮影してください。皆さんにもよろしくお伝えください」と立ち止まってくれた。丁寧選手の人柄の良さを知った。