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トップで田中を起用した愛工大名電。対する野田学園はツインエースの一角、左の沼村。
やや硬さがみえる田中をよそに、沼村が気迫を全面に出し、自分を鼓舞していく。鋭く深いチキータでリードを奪い、勝負どころは強気のロングサービス。
ラリーでも鋭いボールと山なりのボールを使い分け、力む田中のカウンターミスを誘った。試合を支配した沼村が上級生の意地を見せる形になった。
2番は1時間前の男子シングルス5回戦の再戦。竹崎のカットは一層粘り強くなっていたが、木造が果敢にフォアドライブを打ち込む。点数を重ねていけば、竹崎は攻撃を増やしていく。2ゲーム目の後半もサービスと3球目で攻め込んでゲームを奪ったが、その後は木造が対応。
レシーブをつなぐことなく、チキータで狙いに行き、竹崎の攻撃を封じた。前半のシングルスは1-1。互角でダブルスを迎える。
勝負をわけるダブルスは伊丹/沼村が中陣から伸びのあるドライブを次々に打ちこんでペースを握る。しかし、ゲームを取り合う中で、より丁寧に試合を作ったのは名電ペアだった。
チキータで先手を取りたい野田学園ペアだったが、4ゲーム目から急にミスを多くなり、5-1とりーどされてしまう。サービスもやや長くなったか、木造が一発でレシーブエース。
少しのミスが一気に点数を離していく。チャンスを見逃さなかった愛工大名電がダブルスを制した。
4番は松山と伊丹の3年生対決。
押せ押せの松山と伊丹の激しいラリー戦は、意外にも1ゲーム目のみで、その後はお互いに緊張からか思うように強打が決まらない。2ゲーム目は伊丹の強打が次々に決まったが、いつもの強烈なボールではない。むしろ松山が気負い、ブロックミス、カウンターミスで自ら失点を重ねてしまう。
3ゲーム目途中まで同じペースだったが、4-4から松山がボールをつなぎだした。無理に打たず、相手のボールを利用するように変化をつける。ひとつひとつを丁寧に入れていき、打ち急ぐ伊丹のタイミングを崩して10-4と6連続ポイント。このゲームを取る。
4ゲーム目も同じくつなぐプレーだが、そこを伊丹がこじ開けて、6-2とリードするが、じわりと松山も迫って6-6。
7-7、8-7、8-8と離れない点差のまま9-9。ここで松山が長いドライブ戦で、力強いフォアを打ち込み、ついにマッチポイントを握った。10-10、11-11、12-12、13-13。決めきれないなかで、その時がやってくる。
14-13。松山が打ち込んだフォアカウンターが伊丹のラケットを弾き、激戦に終止符を打った。
21年ぶり、愛工大名電の優勝。
喜ぶメンバ-、そしてベンチで涙を流す今枝監督。
表彰式で胸にかけたメダルと笑顔は何よりも輝き、誇らしげだった。