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2016.01.20

#RESULTS

天皇杯・皇后杯平成27年度全日本選手権大会(一般・ジュニアの部)を振り返る 田添健汰編

田添健汰・前田美優ペアが全日本選手権混合ダブルスで優勝。田添・前田組は、3年ぶり2回目の優勝であった。

 

3年前の決勝の相手は、石川・吉村組(全農・愛工大)。ゲームカウント3対0で勝利。最年少優勝を決めていた。また同ペアは福岡県予選から出場。全日本優勝まで、全てゲームカウント3対0で勝利するという、記録!?も達成している。「決勝前に、石川選手がシングルスでカットマンと試合をしていたので、ミックスの序盤はリズムにのれていなかった。1ゲーム目。吉村選手のサービスに前田がまったく合っていなかった。10-9となって、前田が吉村のサービスをレシーブする。ここが勝負でタイムを取りました」と当時ベンチに入った石田眞行氏。

 

そして今回。世界選手権で銀メダルを獲得した石川・吉村のエントリーはなく、どのペアにも優勝するチャンスがあった。田添・前田組は第2シードに位置。田添は、全日本大学総合選手権男子ダブルスで優勝するなど活躍、前田は社会人となり、世界でも活躍するなど実力をつけていた。順調に勝ち進み、決勝を迎えた。

 

決勝前2人から「絶対に優勝します。見ていてください」と声をかけられた。1ゲーム目、前田のレシーブからのフリックと、田添のカウンター攻撃が冴えて9-5とリードする。しかしそこからミスが目立ち、まさかの逆転負け。重い空気が漂う。2ゲーム目は田添・前田があっさり取るも、3ゲーム目は再びどこだかリズムに乗れていない印象。しかし試合巧者の2人はうまくまとめて2-1とリード。王手をかける。4ゲーム目はエンジン全開。前田のドライブ攻撃と、リーチを活かした田添の両ハンド攻撃とカウンター攻撃が冴える。リズムにのったら手がつけられない2人はそのまま突き進み優勝。2度目のチャンピオンとなった。

 

 

「チャンスがあれば世界選手権に出場、活躍したい。次の世界選手権は団体戦なのでミックス種目はない。でも、来年は個人種目。来年の全日本選手権で優勝すればチャンスがあると思う。努力を続けなければいけない」と田添は試合後話してくれた。

 

小学校時代から期待された田添、前田。田添はエリートアカデミーに入るも、怪我の影響で出身である石田卓球クラブ(北九州)に中2で戻ることを余儀なくされる。「怪我は深刻でした。大好きな卓球を続けるために、一時期、真剣に利き腕を変えて練習しようと思っていました」と以前話してくれた。

 

期待されていた田添。しかし結果はついてこなかった。しかし、高校3年生の時のインターハイが地元・北九州で開催されることが決まると、出身校である希望が丘高校が、中国人コーチを招へいし、強化に乗り出した。「中国人コーチの本物の指導をうけました。時間にすると3ヶ月ぐらいだと思いますが、この3ヶ月がものすごく自分にとっては大きかったです。あの時の練習がなければ今はないと思います」と当時話してくれたのを思い出す。

 

挑戦する気持ちがあったからこそ、今がある。田添の挑戦ははじまったばかりである。