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ジュニアでは優勝。一般でもランクに入りたい。早田ひな選手は大会前にそう話してくれた。
振り返れば小学校時代。小学6年最後となった全日本選手権ホープスの部準決勝で、平野美宇(現・JOCエリートアカデミー)に勝利。嬉しさのあまり、泣いてしまい、決勝で塩見真希(現・ミキハウスJSC)に敗れた。「あの時は準決勝で満足してしまいました。反省です」と当時を振り返る。
中学に進学。中学1年の全国中学校女子シングルス。福岡県予選で敗れている弓立(現・正智深谷)に決勝でリベンジ。中1で全国大会を制覇する。そして中2の全中もシングルスで優勝。大会2連覇。史上初となる全中女子シングルス3連覇に期待が高まった。しかし、中3最後の全中では、準々決勝で敗れベスト8止まり。涙が止まらなかった。
世界ランキングは初登場で99位。自己最高は50位である。女子選手としては珍しい、振り抜く両ハンド攻撃型。ダイナミックなフォームが魅力である。しかしそれゆえ、故障もあった。「早田は努力ができる選手。まだ線が細い。これからは卓球の技術も必要であるが、体力が必要。故障しない体作りが大切。早田は練習が終わっても自主的にランニングするなど意識が高い。もちろん学校の勉強もしっかりやっています」と指導に当たる石田眞行総監督(石田卓球場)。
2015年12月に行われた世界選手権選考会では、社会人・の松澤(日立化成)に勝利するも、去年まで一緒に練習をしていた先輩・前田美優(日本生命)に敗れた。「去年までの美優さんと違い、今回は雰囲気が違いました。そういう部分も経験になりました」と早田。
迎えた全日本選手権。ジュニアの部で第1シードの早田。準々決勝で梅村(ミキハウスJSC)と対戦。ゲームオールとなり最終ゲーム9-5とリードするもそこから逆転負け。悔し涙を飲んだ。「負けてしまったことは仕方ないです。まだ、シングルス、ダブルスが残っているので切り替えます」と力強く話してくれた。
疲れが残る中迎えた15日のシングルス。しかし、ダイナミックなプレーは疲れをしらず、大学生、社会人に勝利し、ベスト8入りを決める。試合後「明日は1試合しかありません。1試合に向けて最高の準備をしなければいけない。私はガンガン練習をしたり、試合をしたり、汗をかいた方が調子が出るタイプ。海外の試合で1日1試合、という時もあるのでその経験をいかして明日の試合に臨みます」と話してくれた。しかし16日の試合では、「早田らしさ」が見えず、なかなかエンジンがかからない。0-3となって、4ゲーム目でようやくエンジンがかかりだしそのゲームを取るも、ゲームカウント1-4で敗戦。早田の全日本選手権は終わった。「練習を続けてまた来年良い結果がでるように頑張ります」と早田。
伊藤美誠、平野美宇と同世代が注目される中、早田は順調に力をつけてきている。「伊藤選手、平野選手の活躍は刺激になります。私も実力をつけて活躍できるように頑張ります」とも話してくれた。
いまはまだ「ひな」かもしれない。しかしいずれ世界に大きく羽ばたく時間もそう遠くないはずだろう。