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昭和22年創刊、この5月に800号を迎えたニッタクニュースのバックナンバーから編集部がピックアップしてお届けするページです。
※ここに紹介の記事は、原文を一部抜粋、編集しています。敬称略
QアンドAとエピソードでつづる世界選手権おもしろ史
第1回大会1926(大正15)年12月6~12日ロンドン(英国)
Q 日曜日の開催は法律で禁じられていた。なぜ?
A 人々が教会へお祈りに行かなくなるのを防ぐため
――ハンガリーとオーストリアが5勝1敗で並び、プレーオフが最終日から2日後の月曜日に行われていますね。なぜ、日曜日にやらなかったの?
……当時のイングランドやウェールズ等の法律では、日曜日に有料のイベントを行うことが禁じられていたからである。その催し(スポーツなり芸能なり)に見とれて、人びとが教会へお祈りに行かなくなるのを防ぐための試みであった、とモンタギュ初代会長が語っている*。時代が変わり、今ではイングランドでも日曜日に有料大会が行われるようになっている。
*参考文献『Questions on the history of ITTF』
1926年から67年春まで40年余りにわたり初代ITTF会長をつとめたアイボア・モンタギュ氏に卓球競技とITTFの歴史についてインタビューし、許可を得て録音し、まとめたもの。質問者は藤井。非売品
こぼれ話
「ヘッド」は頭じゃない!?
最初のサーバーを決めるのに、審判員はどちらかの選手にコインを示して表(heads)か裏(tails)かを言い当てさせる。はずれれば、対戦相手が最初のサーバーを決められる。「Heads or tails?(表か裏か)」と、決まり文句で審判員が聞いた。オーストリアのA君は、英語がわからず、質問されてもポカンとしていた。対戦相手のイングランドのB君がヘッドと言いなさい、という意味で、頭に手をやった。これを見たA君は、頭にゴミか何かついているのを教えてくれたものと勘違いして、頭をさすった。だが、何もついていない。キョトンとするA君。こっけいな一幕だった、と12月8日付けEvening Newsが報道している。
各種目の優勝
男子団体:ハンガリー
女子団体:なし
男子シングルス:ヤコビ(ハンガリー)
女子シングルス:メドニアンスキー(ハンガリー)
男子ダブルス:ヤコビ/ペクシ(ハンガリー)
女子ダブルス:なし
混合ダブルス:メクロビッツ/メドニアンスキー(ハンガリー)
藤井基男(卓球史研究家)
1956年世界選手権東京大会混合複3位。引退後は、日本卓球協会専務理事を務めるなど、卓球界に大きく貢献。また、卓球ジャーナリストとして、多くの著書を執筆し、世に送り出した。特に卓球史について造詣が深かった。ニッタクニュースにおいて「夜明けのコーヒー」「この人のこの言葉」を連載。
本コーナーは藤井氏から「横浜の世界選手権に向けて、過去の世界選手権をもう一度書き直したい」と本誌編集部に企画の依頼をいただいた。執筆・発行の14日後、2009年4月24日逝去