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2021.04.12

#INFO

「感染者は出さない!」その想いを胸に。全国ホープス選抜主催者インタビュー

  • 開催1週間前に床と照明の改修が行われたばかりの会場。明るく選手にとって最高の環境となった

  • 𠮷岡宏美徳島県卓球協会会長。「これまでの練習の成果を表現し、目標を達成してほしい」

  • 徳島県選抜代表の網屋理人(右)と藤野夢姫。「コロナに負けず最後まで全力で競技することを誓います」

  • 触れたと想定される備品は徹底的に消毒

  • 試合後は、役員が素早く消毒作業に取り掛かっていた

2019年2月。開催1カ月前に中止が発表された全国ホープス選抜大会。以降、大会が相次いで中止となり、今回、徳島県で行われた第18回となる同大会は、小学生にとって待望の全国大会となった。

同大会は、各都道府県対抗で行われる、いわば国体の小学生版。コロナ禍を鑑み、従来の5シングルス(6~3年生以下)から、3シングルス(1番:6年生、2番:5年生、3番:6年生)に変更して実施。

その舞台裏で、大会運営・感染症予防対策の指揮を執った藤浦哲夫競技委員長にお話を伺った。

 

第18回全国ホープス選抜大会

3月27・28日 徳島県・アミノバリューホール(鳴門県民体育館)

 

 

藤浦哲夫

大会競技委員長

徳島県卓球協会理事長

 

小学生、特に6年生に試合をさせてあげたい!

「昨年度の大会が中止となり、それ以降全国大会が開催されなかった小学生、特に6年生には、試合をさせてあげたいということで、主催の日本卓球協会からお話をいただき、できる限りの協力をしようと考えました。

昨年の8月頃に開催に向けて検討し、もし中止の場合は、開催の150日前に決定するというルールがあるため、11月初旬になって開催する方向となりましたが、前年度の同大会も中止で、開催県に視察へ行きノウハウを吸収するということもできず、コロナ渦で本当に開催できるのか不安なことばかりでした。

 

「感染者は出さない!」その想いを胸に

新型コロナウイルス感染症を鑑み、従来よりも人数を減らして行うことになりました。各都道府県選抜のため、代表選手はそれぞれの所属クラブを越えての参加となります。会場の人数制限もあり、無観客のため保護者も入場できません、選手以外に監督1名、帯同者1名しか入場できないことから、3・4年生に保護者が帯同せずに宿泊するのは厳しいだろうということで、5・6年生のみ参加としました。

また、従来の2位トーナメント、3位トーナメントは、今回は実施しませんでした。1日で試合が終わってしまうチームもあるので、可哀相ではありますが…。

大会運営のノウハウはありますが、大会成功の一番のカギは、やはり感染者を出さないということです。予防対策にとても気を遣い、役員全員がその想いを持って行動しました。

大会運営の中で、審判員の確保が難しかったです。通常であれば、補助員として学生に協力をお願いするのですが、学校から許可が下りず、また社会人も会社からNGが出てしまうケースも多かったため、集まっていただけたのは約50人、うち公認審判員は30名程度でした。24台使用する第1ステージは主審のみで受け持ってもらい2試合連続でコートに入っていただいた審判員もいて本当に苦労をかけたと思います。

1日に3度の換気を設け、その間に備品の消毒を徹底しました。選手が試合中に使用するタオルは、直接備品に触れることのないよう、それぞれバッグを審判台の脇に置くようにしました。これは、県独自で行っている予防策です。

大会初日の受付は密集しやすいので、入場の際は外で待機いただき、ブロックごとに受付できるよう整理誘導しました。雨が降ったら大変だなと思っていましたが、なんとか雨も降らずよかったです。結果、皆さんの協力もありスムーズに受付ができたと思います。

 

審判の確保は困難を極めたため、主審と副審を兼務して補った

 

1日に3度の換気時間の際に、役員は除菌作業に奔走

 

タオルが直接備品に触れることのないよう、審判台の脇にバッグごと置く独自ルールを設定

 

全国大会を観て県の競技レベル向上につなげたい

小学生とは言え、レベルが高いですね。この年代からこんなことができるんだと、感心しました。

協会としては、2019年に全日本社会人選手権大会を開催、来年度に全日本実業団選手権大会、その翌年に全日本選手権大会カデットの部と全国大会を誘致しています。2020-2021シーズンのTリーグの会場にもなりました。

徳島県の選手、特に若い世代にトップレベルの選手のプレーを観て、少しでも自身の技術向上のきっかけにしてもらえればと思っています。