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10月29〜31日、山梨・緑が丘スポーツ公園体育館で行われた第55回全日本社会人選手権。昨年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大のために中止となり、2年ぶりの開催となった今大会では、男女シングルス・ダブルスの4種目で優勝が争われた。
男女シングルスを制したのは、上田仁と長崎美柚。2015〜2017年大会で男子史上初の3連覇を果たした上田(2018・2019年大会は欠場)と、社会人1年目の長崎という、対照的なチャンピオンの誕生だ。
上田は準々決勝で、ペンドライブ型の小西(吉田)のプッシュと後陣での粘りに苦しみながらも、レシーブから動きの良さを見せて4−2で勝利。準決勝では絶好調の左シェークドライブ型、郡山の猛烈なカウンターにもペースを乱すことなく、冷静に勝利。準決勝でカットの英田をノックアウトした大島と激突した。互いに台上から質の高い両ハンドの攻防を見せたが、台上のうまさとバック対バックの展開で有利に立った上田が勝負所で得点を重ねた。
◎上田仁の優勝コメント
「プロになって初めて出る全日本社会人で、練習はしっかり積んでいたんですけど、Tリーグで思うように結果が出せない中、自信を失いかけていた。やってきたことが間違いではなかったと証明できる試合になりました。自信にもなったし、今までの優勝とはひと味違った優勝でした。
決勝で対戦した大島は強いですし、どちらかというとぼくのほうが向かっていけた。大島のサービスをうまくレシーブできて、あとは思い切っていくところとつないで我慢するところのメリハリが大会を通じて良かったですね」
男子シングルス優勝:上田仁(T.T彩たま)
男子シングルス2位:大島祐哉(木下グループ)
男子シングルス3位:郡山北斗(リコー)
男子シングルス3位:英田理志(愛媛県競対)
女子シングルスを制した長崎は、5回戦の山本(十六銀行)戦で1ゲーム落としただけという圧巻の勝ちっぷり。準々決勝で高橋(エクセディ)、準決勝で鈴木(昭和電工マテリアルズ)と左腕との対決が続いたが、チキータからのバック対バックの強さを生かして快勝した。決勝では橋本(ミキハウス)のナックルカットからの反撃にリードを許す場面が多かったが、ゲームの終盤になるほど集中力が増し、橋本のフォアとミドルに効果的にドライブを集めてストレート勝ちを収めた。
◎長崎美柚の優勝コメント
「優勝したいという気持ちはあったんですけど、アジア選手権が終わって日本に帰ってきて、アジア選手権では『もうちょっと頑張れたな』という反省があった。社会人では焦らず自分のペースで、自分の卓球を取り戻せるように調整してきました。それが結果につながって良かったです。
橋本さんとの決勝は、カット打ちはすごく好きなんですけど、Tリーグと世界選手権の選考会では橋本さんに負けていて、そこで腕を傷めてしまった。今回は技術面も体調もしっかり準備をして、万全な状態なので絶対勝てると思って、自分を信じて戦ったことが勝因だと思います」
女子シングルス優勝:長崎美柚(日本生命)
女子シングルス準優勝:橋本帆乃香(ミキハウス)
女子シングルス3位:野村萌(デンソー)
女子シングルス3位:鈴木李茄(昭和電工マテリアルズ)
男女ダブルスはともに決勝がゲームオールの熱戦。平野/松山(協和キリン)と田添/大島(木下グループ)が対戦した男子ダブルス決勝は、平野/松山がゲームカウント2−0とリードし、3ゲーム目10−7、4ゲーム目にも10−9、11−10と5回のマッチポイントを握るが、田添/大島があと1点を取らせない。最終ゲームも7−3のリードから田添/大島が7−7に追いついたが、ここでアシストに徹していた平野がフォアのカウンターを連発。田添/大島を突き放し、勝利を収めた。
◎平野友樹/松山祐季の優勝コメント
「今回は優勝を狙うより、一戦一戦戦っていくという気持ちだった。松山が思い切ってプレーする分、自分は正確にプレーして、松山が緊張するような場面では自分が思い切って攻めようと考えていました」(平野)
「準決勝で0−2から逆転できたのが大きかった。3ゲーム目から開き直って、入るか入らないかわからないボールも全部振っていって、それが入った。決勝の1・2ゲーム目もその流れで良かったけど、3ゲーム目以降は競ったところで自分が緊張してしまったので、それが課題です」(松山)
男子ダブルス優勝:平野友樹(左)/松山祐季(協和キリン)
男子ダブルス準優勝:田添健汰(左)/大島祐哉(木下グループ)
男子ダブルス3位:上田仁(左)/神巧也(T.T彩たま)
男子ダブルス3位:藤村友也(左)/松下海輝(日鉄物流ブレイザーズ)
一方、女子ダブルスも準々決勝から好ゲームの連続となった。頂点に立ったのは松平/有延。ダブルスのスペシャリスト・有延(旧姓:松本)が広角なコース取りで相手ペアの攻撃を封じ、松平もストレートへのカウンターが冴えた。準々決勝で平/田口にゲームカウント0−2から大逆転勝ちしたのが大きく、最後まで集中力の高いプレーを見せた。
女子ダブルス優勝:松平志穂(右)/有延優希(サンリツ)
女子ダブルス準優勝:森田彩音(右)/野村萌(デンソー)
女子ダブルス3位:馬克(奥)/小畑美月(デンソー)
女子ダブルス3位:宋恵佳(右)/成本綾海(中国電力)
◎全日本社会人選手権・上位記録
〈男子シングルス〉●準々決勝
英田理志(愛媛県競対) 4(9,−6,11,8,−8,8)2 松山祐季(協和キリン)
大島祐哉(木下グループ) 4(7,4,4,8)0 笠原弘光(シチズン時計)
郡山北斗(リコー) 4(−6,8,−7,8,9,9)2 町飛鳥(ファースト)
上田仁(T.T彩たま) 4(−9,10,5,−8,7,6)2 小西海偉(東京アート)
●準決勝
大島祐哉 4(5,−10,−14,7,7,1)2 英田理志
上田仁 4(8,−9,3,−7,9,3)2 郡山北斗
●決勝
上田仁 4(7,−11,9,4,9)1 大島祐哉
〈女子シングルス〉●準々決勝
野村萌(デンソー) 4(−7,5,-9,8,9,6)2 成本綾海(中国電力)
橋本帆乃香(ミキハウス) 4(6,5,5,3)0 宋恵佳(中国電力)
長崎美柚(日本生命) 4(6,3,4,2)0 高橋梓海(エクセディ)
鈴木李茄(昭和電工マテリアルズ) 4(-7,7,-8,9,7,4)2 前瀧初音(愛媛銀行)
●準決勝
橋本帆乃香 4(7,5,-7,3,6)1 野村萌
長崎美柚 4(6,7,11,5)0 鈴木李茄
●決勝
長崎美柚 4(5,10,9,9)0 橋本帆乃香
〈男子ダブルス〉●準々決勝
田添健汰/大島祐哉(木下グループ) 3(−5,6,−11,6,10)2 皆川朝/平野晃生(日野自動車キングフィッシャーズ)
藤村友也/松下海輝(日鉄物流ブレイザーズ) 3(9,9,6)0 坂根翔大/各務博志(関西卓球アカデミー)
上田仁/神巧也(T.T彩たま) 3(−9,6,4,3)1 定松祐輔/一ノ瀬拓巳(日鉄物流ブレイザーズ)
平野友樹/松山祐季(協和キリン) 3(15,−9,2,9)1 岡田崚/滝澤拓真(岡谷市役所)
●準決勝
田添健汰/大島祐哉 3(−6,7,6,8)1 藤村友也/松下海輝
平野友樹/松山祐季 3(−9,−8,8,10,8)2 上田仁/神巧也
●決勝
平野友樹/松山祐季 3(9,6,−10,−11,9)2 田添健汰/大島祐哉
〈女子ダブルス〉●準々決勝
馬克/小畑美月(デンソー) 3(5,5,9)0 伊藤佑里子/金子碧衣(松戸市役所)
松平志穂/有延優希(サンリツ) 3(−9,−7,9,11,10)2 平真由香/田口瑛美子(昭和電工マテリアルズ)
森田彩音/野村萌(デンソー) 3(−7,7,−12,16,6)2 永尾尭子/南波侑里香(サンリツ/日本ペイントマレッツ)
宋恵佳/成本綾海(中国電力) 3(4,1,−11,5)1 横山有沙/松澤帆乃果(百十四銀行)
●準決勝
松平志穂/有延優希 3(9,9,−5,9)1 馬克/小畑美月
森田彩音/野村萌 3(9,8,7)0 宋恵佳/成本綾海
●決勝
松平志穂/有延優希 3(6,−9,8,−5,8)2 森田彩音/野村萌