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2019.01.20

#RESULTS

女子シングルス優勝インタビュー 伊藤美誠

伊藤美誠(スターツSC) 優勝インタビュー

 

――2年連続3冠おめでとうございます。率直な今のお気持ちをお聞かせください。
伊藤 3冠できてすごく嬉しいですし、シングルスで優勝できてホッとしています。混合ダブルスと女子ダブルスで優勝してから、「3冠」という言葉をすごく言われてきました。プレッシャーだったわけではないのですが、「もう少しで3冠か…」という感じで、目の前の試合をやりきるということしか意識していませんでした。気持ちの状態は保てましたし、昨年よりもよかったと思います。
――一昨日のインタビューで「決勝の舞台は楽しんだもの勝ちだ」というようなことを言われていましたが、楽しめたでしょうか。
伊藤 めちゃめちゃの楽しかったです。決勝の舞台で年下の選手と対戦することはあまりないと思います。やはり、改めて女子のレベルの層の厚さを感じました。もちろん誰にも負けたくないですが、それ以上に年下の選手には絶対に負けたくないと思いましたし、優勝をとられたくないという強い気持ちがありました。
――いろいろなプレッシャーがあったと思います。「3冠」という言葉を聞こえてきていて、どの選手も伊藤選手を倒すために血眼になってやってきているということを肌で一番感じたと思いますが。
伊藤 昨年3冠をしたおかげで、自信になりました。どの選手が、私を倒すということを目標としてやってくると思ったので、それ以上に私が楽しめたことがよかったと思います。
――準決勝の早田選手との対戦、調子の良さは感じていたと思います。どういった感じで試合に入りたいと思っていましたか。
伊藤 試合をする機会は少ないのですが、練習もたくさんしてダブルスも組んで互いによくわかっていると思います。私は目の前の一本をどうやってとるかということと、1ゲーム目で先手を取らなければと思っていたので、一本目から思い切ってできました。早田選手との試合は準決勝でしたが、決勝だと思って戦いました。
――中国選手とやるときは第1ゲームからスタートダッシュをかけなければならないとおっしゃっていましたが、その意識を持ち続けたことがこの大会で発揮されたのでしょうか。
伊藤 私はもともとスロースターターで自分のプレーを探しながらやるタイプでしたが、今では、自分がどうすればいいのかもわかりますし、相手によって対応できるようにもなってきたので、最初の入りは迷わずできるようになりました。1ゲーム目で流れが決まるので、なるべく自分の流れに持っていきたいです。中国選手など差を感じても1ゲーム目をとれれば、チャンスがあると思ってやってきたので、そういったところが今大会で出せたと思います。
今回、シングルスの初戦があまりよくなくて、1ゲーム目もスタートが悪かったので、絶対に次は1ゲーム目をとるという強い気持ちで臨めました。決勝ももちろんそうです。
――試合直後のインタビューで「私強くなった」とおっしゃっていましたが、具体的に教えてください。
伊藤 一番は気持ちの強さが前よりもグンと上がりました。また、切り替えの早さもよくなりました。決勝の第4ゲーム9-3で勝っていて、そこから逆転されましたが、今までだったら頭が真っ白になっていましたが、そこを落ち着いて切り替えられたことが成長できた部分です。強い気持ちでいることは「私らしいな」と改めて思います。
――すぐに切り替えられたり、強い気持ちを持てるようになったというのは、なにかきっかけがあったのでしょうか。
伊藤 たくさん試合に出させていただいている中で、いい時は笑っていたり、楽しくできていますが、悪い時は笑顔が減ったり、表情も暗くなってしまっていたので、そういった反省を活かして、どんなときでも笑顔で楽しもうとやっています。
――いいスタートを切れたと思いますが、どんな一年にしたいですか。
伊藤 昨年も3冠からスタートして、自信にもなりましたし、中国選手にもたくさん勝てていい経験ができたので、今年は中国選手に連続して勝てる実力を持つことと、五輪の選考シーズンで世界ランキングが一番大事なってくるので、ワールドツアーの一試合一試合を大事にして、楽しんで一年をやりきりたいです。
――リオ五輪でその争いを一度経験されていますが。
伊藤 前回の五輪の時は、私が出場できるとは思っていなかったので、選考シーズンのあと4ヶ月というところで、世界ランキングが上がったので、あまりプレッシャーもなかったです。しかし、大会前には押しつぶされたしまったり、体調を崩してしまうことがあったので、次は体調を万全にして、出場権を得たいです。
――女子では初の2年連続3冠ですが、昨年の3冠と今年の3冠、何か違いはありますか。
伊藤 昨年は、3冠できるとは思っていませんでした。石川選手と平野選手に勝てたのは、嬉しいよりもあまり勝ったことがなかったので、ビックリでした。今年は、とにかく楽しもうと思っていたので、昨年よりも緊張しませんでした。
――1ゲーム目が大事とおっしゃっていましたが、決勝戦の1ゲーム目で木原選手が10-11でタイムアウトをとりましたが、その時の心境とコーチと何を話されたのか教えてください。
伊藤 1ゲーム目なので、今どういう状況かということです。相手は「1ゲーム目をとりたい」という思いでタイムアウトとったと思います。「攻めに来ているな」と思ったので、私も負けじと攻めようと思いました。同じ戦型なので、難しい部分もあり、押される場面もたくさんあったのですが、押されっぱなしじゃだめだと思ったので、切り替えて攻める卓球をしました。
――木原選手と対戦してみて印象はどうでしたか。
伊藤 同じ戦型でもあるので、お互いに嫌なところもわかると思います。木原選手は今大会思い切って来ていたので、あまり年下と思わず、挑戦者の気持ちで臨めたので、気持ちの部分では負けていなかったと思います。ただ、全日本の決勝まで来ているので、気持ちの強い選手だなと思いました。
――決勝の第4ゲームで優勝目前でありながら、8連続ポイントを取られましたが、振り返ってみていかがですか。
伊藤 9-3だったので、木原選手もサービスを出しても一発でやられたりと、思い切って来ました。「そろそろやばいな」とは思っていました。何をされて取られたのかも全然わからなかったのですが、このゲームを忘れて、次のゲームを絶対取るという強い気持ちを持って戦えました。やはり、切り替えが早くなったので、流れを引き戻せたと思います。
4-0で勝てる試合だったとは思います。