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昭和22年創刊、800号を迎えたニッタクニュースのバックナンバーから編集部がピックアップしてお届けするページです。
*所属・年齢は当時のままです。
*ここに紹介の記事は、**本誌記事を一部抜粋、編集しています。文中敬称略
***本誌記事ページはこちら!
混合複で全日本選手権大会初優勝!
「やるべきことがはっきりした」
左右に素早く動き、身体全身を使って打球。そして何より1球に賭ける姿勢が素晴らしい。
全日本選手権において「得意」と称されるダブルス種目「混合複」で初優勝。2人の強さを目の当たりにした複数の関係者が「次に中国に勝って世界一を獲ることができるのはこの2人だ」と評す。
トラウマだった「混合ダブルス」
「混合ダブルスはセオリーがあって、男子選手がパワーを活かして、女子選手が早さで勝負する、と考えています。私は元々パワー選手ではありません。
美誠とペアを組んだのは2015年のアジア選手権。その時はベスト8で、メダルも獲れませんでした。美誠とペアを組んでメダルすら取れない。情けなかったです。
ユニバーシアード競技大会でもミックスで活躍できず、自分の中では2015年のアジア選手権が相当なトラウマで、姉(森薗美咲・日立化成)からも『全日本選手権に出よう』と誘われていたのですが、断り続けていました。
2017年のアジア選手権でもう一度チャンスをいただくことができ、そこで前は何がダメだったかを洗い出しました。
お互いの遠慮だったり、台との距離感の違いがあり、お互いの特徴が生きるように『はやさ』を意識しました。それが上手くいき、中国ペアに勝って準優勝することができた。中国選手に勝てた、そのことがかなり自信になりましたね」
オール3-0で初優勝
伊藤美誠選手(スターツSC)と組んだ混合複は3回目。今回の全日本選手権では、競り合いとなるも、オール3-0。結果だけで言うと「完勝」であった。
森薗のチキータレシーブは、どんなサービスにも対応。一発で得点をあげる威力がある。伊藤は相手に攻撃を読ませない多彩なテクニックがある。また2人の打点は異常ともいえるほど早い。対戦相手としてはラリー戦に持ち込んで少しでもペースを乱したいが、それも許さない。
「優勝できたことは素直に喜べます。競り合いながらも最後になんとかできる、たくましいペアに育ったかな、と思います。
ランク決定戦で、それまで実績のある田添健汰・前田美優組(専修大・日本生命)と対戦。負けてしまうとお互いが出場権を失ってしまう(現時点では、登録都道府県が違うため、強化本部推薦でしか出場がありえないため)2人の気持ちを背負ってこれからも戦っていきたいと思います」
相手に主導権を握らせない戦いを展開した
シングルスでの躍進
ホープス、カデット、全国中学、インターハイ、そして全日本学生で3回優勝。各カテゴリーで結果を出してきた森薗。しかし前回までの全日本選手権ではベスト16が最高の成績。昨年は初戦敗退と相性の良くない大会である。
しかも2017年は森薗にとって不調の年であった。
「初めて混合ダブルスに出場して、身体が動くまで試合ができて、シングルスに臨めたので、落ち着いてプレーできました。
実は不調でしたが、夏のインカレの頃から復調してきたかな、と思います。
チャイナオープン、ジャパンオープンと続き、体力的・精神的に厳しい状態。そこで5日ぐらい休み、用具の微調整を行いました。
練習内容も、アジア選手権で平野美宇選手(JOCエリートアカデミー/大原学園)の練習を参考に、早いタイミングでの切り返し、現実ではありえないタイミングの多球練習など、すごく単純な練習だったのですが、凄く楽しく練習できました。
性格上、悪い時には何をしていいかわからず、練習をやりこんでも、これで正しいのか、こんなことをしていていいのか、と疑心暗鬼になってしまうので、やることが見つかってよかったです。
あと、今考えると、ダメだった理由は私生活だったと思います。考え方と私生活が悪かったら、卓球も良い結果が出るわけありません」と話す。
全日本選手権は、何年かに1回の割合でチャンスが訪れる、と森薗は話す。
「チャンスをモノにできるか、できないか。ここに選手としての『資質』があると思います。3位という結果に満足はしていませんが、上を目指している過程でも、結果に対しては、どこかで満足した方が良いと考えます。今年はここで納得をして、直す部分、良くなる部分を練習していきます」
今の最大の目標は、2020年の東京五輪。森薗は現在日本選手の中で上から8、9番の位置にいる。
「客観的に見たら正直厳しいと思います。でも必要なことがハッキリしているし、目標に向かっていくだけです」と力強く前を向いた。
春からはプロ選手として活動する予定。全てを卓球に捧げ、夢を実現していく。彼の人生が楽しみだ。