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2023ITTF世界卓球選手権ダーバン大会7日目。終盤に衝撃の連続が待っていた。
女子シングルス。早田ひなは王芸迪(中国)と対戦。1ゲーム目。王が安定した両ハンド攻撃をみせて、「4本」でこのゲームを取る。やはり中国か、という雰囲気が会場を包む。しかしここからが早田。自分のできるプレーに注力し、特にバックハンドの攻撃が良く、左右にバックドライブを放つ。相手の強打もしっかり返球し、2ゲーム目を「3本」、3ゲーム目を「9本」と取ると、会場の空気が一変。「HAYATA」「HINA」という声援が観客から飛び始める。王も対抗粘るが、早田がゲームカウント3-2とリードをする。
迎えた6ゲーム目。早田が終盤までリード。勝負あり、の内容となる。しかし実力者の王がサービスの組み立て、バックハンド攻撃が冴えこのゲームをとる。手に汗握る展開に会場がザワザワとざわつきだし。
最終ゲーム。早田が0-0から一気に勝負をかけたこともあり、序盤は早田のペースで進む。早田リードでチェンジコート。王には厳しい展開となるが、ここから王が実力を発揮する。点数を気にせず1本1本集中してプレー。するとここから王が逆転し気が付けば10-8とマッチポイントを握る。
早田の健闘もここまでか、と思われたが、早田本人、早田陣営、日本代表チームは、早田を信じる。すると10-10に追いつく。こうなると勝負はどっちに転ぶかわからない。王がマッチポイントを握るが、早田が取り返す。早田がマッチポイントを握れば、王が奪い返す展開に。この展開に会場のボルテージは最高潮に達する。
迎えた20-19の早田リード。ここまで早田はミドルを中心に連続攻撃をしていたが、ミドル攻撃の後、フォアサイドを切るバックドライブを放つ。するとこのボールを王がオーバーミス。勝負が決まった瞬間早田は涙を流して喜ぶ。
素晴らしい試合内容に会場からは大きな拍手が送られた。
▲最後まで自分を信じた早田ひな
▲惜しくも敗れた王。しかし素晴らしい試合に拍手を送りたい
混合ダブルス決勝。王楚欽・孫穎莎(中国)と張本智和・早田ひな(日本)が対戦。金メダルを目指す張本・早田にとっては超えなければいけない壁である。
1ゲーム目から中国ペアのペースで進む。なかなかリズムをつかめない日本ペアは攻撃で焦ってしまい、いつもミスしないボールをミスしてしまう。その後も日本ペアはミスを恐れずに安定したプレーをしてしまうと、中国ペアがそこを狙って攻撃をしかけてくる。結果、中国ペアが3-0で勝利し優勝を飾った。
▲優勝の王楚欽・孫穎莎
▲準優勝の張本・早田
女子ダブルス。こちらも衝撃の結果であった。
田志希・申裕斌(大韓民国)が孫穎莎・王曼昱(中国)の優勝ペア候補と対戦。1ゲーム目。田の回り込み攻撃とカウンター、申のコースを突いた攻撃が冴え1ゲーム目を取る。女子シングルスの早田ひなが勝利したこともあり、会場に「韓国ペアも勝利するのでは?」という空気が流れる。「1ゲームぐらいは落とす。今回は大丈夫でしょ」と中国ファンは楽観的。2ゲーム目も会心のプレーを見せる韓国ペア。このゲームを取ると、一気に勢いにのる。このままでは負けられない中国ペアであるが、韓国ペアの勢いを止めることができず、中国ペアがストレートで勝利した。
▲ストレートで勝利し、喜ぶ田志希・申裕斌
その他、長﨑美柚・木原美悠は、陳夢・王芸迪(中国)と対戦。接戦となるが、ゲームカウント3-1で中国ペアが勝利した。
▲「大事な1本」を取れなかった長﨑・木原
▲「1本」を取らせなかった陳夢・王芸迪
男子シングルス。日本代表で唯一勝ち残っている張本智和がメダルをかけて、梁靖崑(中国)と対戦。2ゲーム先取された張本であるが、3、4ゲーム目は、張本が取る。5ゲーム目以降も張本が得意のバックハンドで積極的な攻撃を仕掛ける。ここで梁はやや打点を落として球足の長いボール回転のかかったボールを意図的に放ち、張本のタイミングを崩していく。回転のかかったボールに強打できない張本。つないできたボールを狙う梁。結果、梁が4-2で勝利した。
▲気持ちの入ったプレーをみせた梁靖崑
▲バックハンドの打点、質が高った張本
▲勝敗が決し、両者コートに座り込んだ