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●男子決勝トーナメント準々決勝
〈中国 3−0 日本〉
◯樊振東 −11、10、10、6 松島輝空
◯王楚欽 −8、2、7、6 張本智和
◯馬龍 9、5、−9、-9 篠塚大登
決勝トーナメントのドロー(組み合わせ抽選)の結果、日本男子は準々決勝で中国と当たる山に入った。初戦の2回戦でオーストリアに快勝した日本は、準々決勝で中国。両チームは2年前の前回大会(世界卓球成都大会)の準決勝で対戦し、この時は張本智和が王楚欽と樊振東を破って2得点をあげた。3番で及川瑞基が馬龍に、ラストで戸上隼輔が王楚欽に敗れてチームの勝利にはならなかったが、中国をあと一歩まで追いつめたことは記憶に新しい。
中国のメンバーが前回大会と同じ3選手なのに対して、日本はエースの張本以外の篠塚大登と松島輝空の2選手は今大会が世界卓球に初出場。戸上が発熱したこともあり、前回大会とメンバーが変わった。メダルをかけた大一番で、田勢邦史監督はオーダーで勝負に出た。これまで2点起用してきた篠塚を3番に起き、松島を2点起用にした。
その松島は1番で樊振東と対戦。この起用について松島は「最初は少し緊張したけれど、本当に楽しみだった」と試合後に話したが、五輪金メダリストであり、世界チャンピオンの樊振東に対して出だしから互角のプレーを見せるなど、大方の予想を裏切る戦いを見せる。
松島は1ゲーム目に7−10のビハインドから強気のプレーでジュースに追いつくと、最後はチキータで決めて逆転でこのゲームを奪った。2ゲーム目も6−10からジュースに追いついて会場を沸かせたが、樊振東が懇親の粘りを見せてゲームを奪い返した。松島は樊振東とはこれが初対決で、それが世界卓球の準々決勝であってもプレー、メンタルともまったく引けを取っていない。むしろ、追い上げていく時の堂々としたプレーと振る舞いを見ていると、どちらがチャンピオンなのかわからなくなることがあるほどだ。樊振東は全力でプレーをしているが、ツッツキで松島のサービスをふかしてオーバーするなど「らしくないプレー」もあった。
3ゲーム目になると松島はサービス、レシーブで先手を取り、両ハンドカウンターが決まるなどペースをつかんで9−6とリードしたが、ここから樊振東がギアを上げて逆転。そのまま4ゲーム目も奪った。
「競った場面でミスをしないところだったり、どれだけリードしていても1本が遠いなと感じましたし、1本の重みを今回は感じました」と試合後の松島。それでも「全然チャンスはあるなと感じた」と次回への自信を見せた。
松島輝空
樊振東
2番の張本は王楚欽に対して1ゲーム目を先取。「1ゲーム目は良い準備をして取れたんですが、2ゲーム目以降は地力の差が出てしまったし、2年前と違って1ゲームを取ってもまったく相手は崩れなかった」と逆転負け。台から下がってもドライブの打ち合いで得点を重ねるなど、ラリー戦では互角の戦いになっていたがサービス、レシーブから早い段階で一撃の強打を浴びた。「さわることすらできないくらい速いボール、強いボールが来た」(張本)
張本智和
0−2でまわってきた篠塚は馬龍に対して1、2ゲーム目を落としたが、3ゲーム目の中盤からそれまでつないでチャンスを探っていたバックハンドから一撃のバックドライブを連発して馬龍のフォアサイドをノータッチで決めるなど、アグレッシブなプレーでこのゲームを奪うと、4ゲーム目も篠塚は攻撃的なプレーを見せ、馬龍は疲れが出てきたのか、動きの精彩に欠けるようになる。篠塚が9−7とリードしたが、ここから底力を出した馬龍が4連続得点で試合を決めた。
篠塚大登
日本は中国に敗れてメダル獲得はならなかったが、松島、張本、篠塚の3選手に対して中国がそれまでの試合とは違って、最初から最後まで全力で戦っていたのが強く印象に残った。それは中国が日本を強く警戒していた証であり、実際に対戦して、日本の若手の強さを肌で感じたからだろう。