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男子準々決勝の中国戦、2番で王楚欽から1ゲームを先取し、「前回の成都大会の再現か?」と思わせた張本智和。ラリーでは王楚欽の高速ドライブを何本もブロックし、バックのカウンターで左腕の王楚欽のフォアを切り裂いた。
一方で、2ゲーム目に入ると王楚欽が出足から一気に攻勢に出た。日本男子チームの田㔟邦史監督は「智和は中国選手とやると、1ゲーム目をどうしても取りたいというところで、1ゲーム目にすべてを出してしまうとだんだんやることがなくなってくる。やはり引き出しは中国選手のほうが多いし、こちらも引き出しを多くしていく必要がある」と語っている。
「ラリーになれば互角以上に勝負できていた」と語る張本だが、一方でチキータをはじめとするサービス・レシーブからの攻めでは、王楚欽の球質の高さが際立っていた。「ぼくのチキータと王楚欽のチキータ、比べるとぼくが常に後手だった。相手にチキータで決められて、自分は決められない。最後はラリーになる前に決められてしまって、そこがまだ足りないな感じながら試合をしていました」(張本)。
日本男子チームのエースとして、中国の壁に挑み続ける張本。再びその壁に跳ね返され、試合後のミックスゾーンでは落胆を隠せなかったが、一方でこんな言葉も残している。
「試合をやりながら思っていたのは、今は中国に勝てなくても、2年後、4年後、6年後を考えたら絶対ぼくたちのほうが強いと思う。馬龍と樊振東が抜けていった後、ぼくたち3人(張本・篠塚・松島)に戸上選手、田中選手のほうが若い。今はまだ我慢の時期ですけど、その時になればきっとぼくたちにチャンスは巡ってくると思う。それまでみんなが練習を頑張り、努力を継続していけば、本当に明るい未来が待っていると思います」(張本)
「雨垂れ石を穿(うが)つ」の言葉があるように、日々の練習の1球1球に全力で打ち込むことで、中国の分厚い壁にもやがて穴が空く。その先に広がっているのは、日本卓球界の明るい未来だ。
20歳の張本智和と篠塚大登、そして16歳の松島輝空。若くて強い日本男子の未来は明るい