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東京オリンピックを目前に控えた五輪代表選手の強化の一環として開催されている2021卓球NIPPONドリームマッチ(日本卓球協会90周年記念)。
1日目は混合ダブルス、男子ダブルス、男子シングルスが行われた。
第1試合の混合ダブルスは、水谷隼・伊藤美誠と吉村真晴・有延大夢ペアが対戦。
序盤、少し動きに硬さが見られた水谷・伊藤ペアに対し、吉村・有延ペアは威力のある両ハンド攻撃で圧倒。
伊藤が多彩なレシーブでチャンスを作り、水谷の攻撃につなげて応戦したが、最後は吉村の威力抜群のバックハンドドライブが決まり、4対0で吉村・有延ペアが勝利した。
伊藤は「パワーのあるペアに負けやすいというのが私たちの欠点なので、今回そういった選手と対戦をさせていただけてよかった。最近では、女子も男子のような質の高いボールを打ってくるので、今回のように1ゲーム目から守りに入ってしまっては勝てないと思う。
シングルスでは思い切りいけるけれど、ダブルスになるとパートナーにしっかり回そうとしてしまう。私が思い切りいけていないと、水谷選手も受け身になってしまい、最終的に私が崩れてしまうので、入れるだけでなく、攻めながら水谷選手につなげられるようにしたい」と振り返った。
水谷は「良いと思うところはなかった」としながらも「実際は男子ペアと当たることはないので、悲観的に捉えることはない」とコメント。
吉村真晴・有延大夢 4(9,6,8,9)0 水谷隼・伊藤美誠
男子ペアを相手に健闘したが、惜しくも敗れた水谷隼・伊藤美誠
キレのある攻撃と多彩なテクニックで代表ペアに勝利した吉村真晴(左)・有延大夢
第2試合の男子ダブルスは、丹羽孝希(スヴェンソン)がワクチンの副反応により欠場となったため、急遽、水谷・張本智和(木下グループ)ペアが実現。神巧也・篠塚大登(T.T彩たま・愛工大名電高)と対戦した。
終始、水谷がチャンスを作り、張本が決めるパターンが噛み合い得点を重ねる。さらに、水谷も絶賛した張本の鋭いチキータレシーブが光り、神・篠塚にペースを掴ませない。第3ゲームは、神・篠塚がシーソーゲームを奪ったが、水谷が巧みなサービスで篠塚のレシーブを封じ、最後は華麗なフォアハンドドライブで勝利を飾った。
急遽組まれた試合だったが、水谷は「過去のペアリングの中でもピカイチ」と張本を絶賛。「一番驚いたのがレシーブの威力。一発で決められる強さを持っていて、そのプレッシャーで相手のサービスミスが４、５本あった。すごく頼りになると感じたし、本番では何かあった時、対戦相手に応じてこのペアの出番の可能性はゼロではないと思う」と手応えを感じていた。
水谷とダブルスを組むという小学生時代からの夢が実現できたという張本。「当時の自分は喜んでいると思う」と喜びを表現しながらも、「3ゲーム目の勝てるところで簡単なミスをしたのは経験不足」と冷静に分析した。
張本智和・水谷隼 3(12,8,-16,8)1 神巧也・篠塚大登
水谷隼(奥)が絶賛したチキータを放つ張本智和。水谷は持ち前の安定感のあるプレーで張本の能力を引き出した
第3ゲームを奪うなど、健闘のプレーを見せた神巧也(右)・篠塚大登
第3試合は、張本智和と及川瑞基(木下グループ)が対戦。1月の全日本選手権の再戦は、今回も激戦を極めた。
張本は得意のバック対バックで優位に立って、第1ゲームを先取。第2ゲームからは、及川がロングサービスで張本のチキータを封じ、張本のフォアストレートを攻めて応戦し、2ゲーム連取する。
しかし、徐々に及川のサービスに対応し始めた張本が再びバック対バックの展開に持ち込み、さらに新サービスが随所で効果を発揮し、張本が3対2とリード。及川が全日本王者の意地を見せて最終ゲームにもつれ込んだが、終始強気な連続攻撃を見せた張本が勝利を掴んだ。
張本は「手が震えた時もあり、本番前にこの緊張感を味わえたことは大きかった。練習では100％だったバックハンドが、実際は70、80％だったけれど、コンスタントにそうあればいいのだと実感できた。
及川選手は世界の選手中でも苦手で、そういう選手にラリーで粘って、レシーブで仕掛けて勝てたのは収穫。サービスも全日本と比べて２種類ほど増やしてコースも散らせたこと、積極的にチキータで攻められたことが勝因」と語った。
張本智和 4(5,-5,-8,7,5,-8,4)3 及川瑞基
得意のバックハンドを主軸に激戦を制した張本智和
及川は劣勢から最終ゲームまで迫ったが、最後は勝ちきれなかった
