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昭和22年創刊、800号を迎えたニッタクニュースのバックナンバーから編集部がピックアップしてお届けするページです。
この後編では、世界選手権東京大会で銀メダルを獲得するまでの各試合を振り返ります。辛勝したオランダ戦や中国香港戦で感じたチームの力とは――。
*所属・年齢は当時のままです。
*ここに紹介の記事は、本誌記事を一部抜粋、編集しています。
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会場の応援を背に、チームの力で銀メダルに輝いた
――世界選手権のチャイニーズタイペイ戦(予選リーグ第4戦目)ですが、絶対に勝たなければいけない、という中でのプレーになりますが、プレッシャーは。
石垣 いろいろな方に、期待してもらい、言葉をかけてもらう機会が多かったので、プレッシャーもあったのですが、それを力にできたのではないかな、と今は思います。ここで勝てばまた自信につながるし、しっかり自分の役目を果たそうと思ってプレーしました。
――思い通りのプレーだったと思いますが。
石垣 合宿中から調子が良かったのですが、調子が良い時が一番怖いことが分かっていたので、気をつけながら、しっかりそれでいて慎重にやっていたおかげで良いプレーができたと思います。
――準々決勝のオランダ戦ですが、相手のオーダーに驚いたと思いますが。
石垣 今年の3月のドイツオープンで、リー・ジェ選手(オランダ)に負けていたので、もしかしたら当たるかなと少しは考えていましたが、きっとないだろうと思いました。でも嫌な予感が的中してしまいました。
3月に負けていたので、実際、やばいというか、動揺はしました。
でも3番の勝利は凄く大事になると思っていたので、絶対に取らなくてはいけないと思いました。そこからどうしたら勝てるのか、とにかく冷静にプレーしようと思いました。
――簡単に試合を振り返ってください。
石垣 ドイツオープンの時と同様に、促進ルールになりました。その時は、相手の変化がわかっていないのに、全部スマッシュで決めようとして、負けてしまいました。今回はその敗因を活かして、攻撃の時は慎重に、ドライブなどを入れて、自分の打てるチャンスボールだけをスマッシュしていこうと思いました。守備に回った時は、相手よりも多く返すんだ、という気持ちでした。
――正直、カット対カットはあまり得意ではないと思います。なぜそこまで踏ん張れたのですか。
石垣 団体戦というのが大きかったと思います。後ろで応援してくれている人がいる。日本の応援団が応援してくれている、会場全体で日本を応援してくれている、という雰囲気だったので、それが心強かったです。たぶん、個人戦だったら勝てていないかもしれません。
――次は準決勝の中国香港戦
石垣 トップで李晧晴選手(中国香港)と対戦。自分の中で絶対に勝たなければいけない相手だと思っていました。自分自身の調子は悪くなかったのですが、相手が私の研究をよくしていて、いつものようなミスが少なく、最初から最後まで相手のペースで試合をさせられてしまいました。こちらからもう少し違うことをやって、流れを変えられていたら、結果は違っていたかもしれません。反省です。
――結果は3対1で勝利。銀メダルを決めました。
石垣 私はトップで負けてしまい、次の試合に備えて、練習場で準備をしていました。練習場には得点だけを知らせるテレビが置いてあるのですが、3番の平野(早矢香)さん(ミキハウス)が負けそうになっていて、キツいかな、と思っていたら、挽回。4番の石川(佳純)さん(全農)も接戦になりましたが、決勝点をあげてくれました。この時、本当にチーム全員の力で勝ち上がっているんだな、と改めて思いました。
――中国との決勝が決まった時は、どういう心境でしたか。
石垣 決勝に上がれたことに感謝したというか、最終日まで卓球ができる嬉しさがありました。そこでまた、中国を追い詰めたい、という気持ちが芽生えました。
――決勝はトップで出場。丁寧選手(中国)に1ゲーム取りました。
石垣 1ゲーム取ることができたのですが。そんなに相手を追い詰めている状況ではなかったので、力の差を凄く感じていました。もう1ゲーム取るため、勝利するためには、攻撃の幅であったり、コースを厳しくしたりしないといけないな、と思いました。
中国選手に勝つには、相手が驚くようなプレーをしないと勝てないと思います。現段階では戦術面、技術面、全てにおいて相手が上だと思います。
――表彰式に登った気持ちは。
石垣 31年ぶりの銀メダルと聞いて、自分がこの瞬間に関わることができて、とても嬉しかったです。このメダルは、私たちだけの力ではなく、チーム全員の力で取れたと思うので、スタッフ、応援してくれた方に感謝したい、という気持ちでいっぱいでした。応援してくれる方がいないと銀メダルはなかったと思うので、応援の力は凄いと改めて感じました。
――自分らしさ、日本らしさとはなんでしょうか。
石垣 日本らしさは、やはりチームワークです。世界で一番だと思います。
自分らしさはなんでしょう……。わからないです。逆に教えて欲しいです(笑)。まだまだだと思うのですが、ここ最近は相手の状況をしっかりと判断して、返球したり、プレーできるようになって来たと思うのでさらに磨きをかけていきたいです。
――最後に今年の目標は。
石垣 試合がずっと続いていくので、目の前の試合を1戦1戦頑張って良い結果を出していきたいと思います。
――ありがとうございました。
【世界選手権東京大会 女子団体スコア】
予選リーグ第4試合
日本 3-0 チャイニーズタイペイ
〇石垣優香 3(9,3,4)0 黄怡樺
〇石川佳純 3(8,-11,9,6)1 鄭怡静
〇平野早矢香 3(-8,1,4,11)1 陳思羽
準々決勝
日本 3-2 オランダ
〇平野早矢香 3(7,8,-9,5)1 エーラント
×石川佳純 2(9,-8,-9,7,-10)3 リー・ジャオ
〇石垣優香 3(-8,6,6,9)1 リー・ジェ
×平野早矢香 2(9,-10,-3,4,-7)3 リー・ジャオ
〇石川佳純 3(8,7,-8,-9,6)2 エーラント
準決勝
日本 3-1 中国香港
×石垣優香 0(-13,-10,-2)3 李皓晴
〇石川佳純 3(-8,8,-6,9,6)2 姜華珺
〇平野早矢香 3(8,-10,10,2,10)2 呉穎嵐
〇石川佳純 3(4,-8,-10,9,7)2 李皓晴
決勝
日本 0-3 中国
×石垣優香 1(-5,8,-2,-5)3 丁寧
×石川佳純 0(-8,-7,-7)3 李暁霞
×平野早矢香 0(-4,-2,-5)3 劉詩雯