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新型コロナウイルスの影響により、大会の中止や延期を余儀なくされたが、再開のニュースが届きはじめている。
様々な困難の中、参加者の想いを大切に、開催にこぎつけた「奈良県高等学校選手権大会」。実現推進に奔走した奈良県高等学校体育連盟卓球専門部委員長の池田秀幸先生にお話を伺った。
※取材日は、9月7日
奈良県高等学校選手権大会
8月6~7日、20~21
ならでんアリーナ(学校対抗)、五條市シダーアリーナ(シングルス)
主催:奈良県高等学校体育連盟
主管:奈良県高等学校体育連盟卓球専門部
池田秀幸(いけだ ひでゆき)
奈良県高等学校体育連盟卓球専門部委員長
奈良朱雀高等学校教諭
これまで頑張ってきた3年生のためになにかできることはないか
「インターハイが中止となったため、県予選も中止となりました。委員長であると同時に一学校の顧問でもあるので、3年生がこれまで頑張ってきた姿を身近に見てきています。部活動としても様々な制約がある中、特に我校は公立校で商業科と工業科があり、検定や資格などを取る必要がある中、なんとか時間を作って部活動に励んできました。ですから、最後に気持ちの整理をつけさせてあげるためにも、インターハイ予選に代わる何かを作ってあげたいという気持ちで代替大会の開催を決定しました。
他競技が会場の確保に苦労する中、卓球専門部は開催中止となった全国定通制大会の会場を、こんなこともあろうかとキャンセルせずに確保していたため、ハード面は早々とクリアすることができました。
ただし、確保していた8月5~7日のうち、初日は本来であれば休館日ということで、2日間での実施を余儀なくされました。しかし、感染予防対策など負荷がかかる中での2日日間は厳しいと判断し、6~7日は団体戦、20~21日にシングルスを行うことにしました。
ただ、シングルスについては、県内強豪校が進学校に偏っていることもあり、時期的に受験勉強にシフトした生徒も多く、当初の予定よりも3年生の参加が少なくなってしまい、そこが残念ではありましたが、1・2年生のフレッシュなプレーも見られ、高校生のチャンピオンを決めるという本来の主旨にはかなう大会にはなったと思っています。
入替制にすることで密を避ける。工夫を施して感染予防対策を
体育館に入場できる人数が制限されていましたので、団体戦の初日はベスト8決定までとし、トーナメントの左側が午前中、右側が午後と分けることで人数を減らしました。
また、観客席はソーシャルディスタンスを保つように、使用制限をしました。
競技については、日本卓球協会の感染予防ガイドラインに沿って実践しました。審判カウンターや対戦票ボードは不特定多数が触るものなので使用を控え、審判は指で、対戦票は筆記用具を持参して対応としました。
選手が使用するタオルについては、よく卓球台にかけたりしますが、その場所を指定し、試合後に消毒するようにしました。
以上のことを守りながら、試合後は審判がボールを本部席に返却し役員が消毒、新しい対戦票を持って戻る。敗者はタオルをかけた部分を消毒するという流れを作りました。
卓球台については、午前・午後と選手が入れ替わる時と、試合終了後に消毒を行いました。
運営に携わった役員の人数は通常と変わりませんが、やはり作業自体は増えました。今年度から参加料を銀行振り込みとし、プログラムの配布をやめて、組み合わせは事前にメールでお知らせすることで、極力接触することのないよう、工夫をしました。
これまでやってきたことは色褪せない。今後の人生に役立ててほしい
他校の先生から『3年生の気持ちの整理をつけさせることができた。進路に向けて切り替えてやっていけると思う』という声が届きました。
また、ある県内有数の進学校が団体戦のみ3年生中心に出場いただきましたが、私の印象ではありますが、正直、受験勉強に傾きつつありながら合間を縫って大会に参加されたのだと思います。“最後の思い出作り”という気持ちも強かったのではないかと思いますが、それでもやはり、真剣に試合をして負けて、みんなで涙を流しながら悔しがっている姿を見て、これまで頑張ってきて最後に感極まったのかなと。インターハイに出られないとか、近畿大会に出られないではなくて、目の前の試合に一生懸命なのだと感じたシーンでした。
全国大会があろうがなかろうが、生徒がこれまで頑張ってきたことは間違いないですし、そんな生徒のためになんとか大会をやってあげたいという気持ちでした。
3年生が2年半にわたって取り組んできたことは、色褪せることはないです。取り組んできたことを自信につなげて、今後の人生に役立ててほしいです」
【大会結果】
▼男子学校対抗
準決勝
添上 3-1 帝塚山
奈良朱雀 3-2 高取国際
決勝
添上 3-0 奈良朱雀
○1金子颯真 3(5,5,9)0 中佳樹
○2杉田拳士朗 3(-9,7,-6,8,4)2 斧田智紀
○3藤井樹佑磨 3(6,-8,13,9)1 林田幸紀
4松葉優斗 – 門口茂州真
5金子颯真 斧田智紀
男子学校対抗優勝 添上
▼女子学校対抗
準決勝
奈良女 3-0 帝塚山
生駒 3-2 畝傍
決勝
奈良女 3-0 生駒
○1矢尾まいの 3(4,4,10)0 相坂奈那
○2西村歌音 3(5,4,5)0 原田美音
○3滝谷叶悠 3(6,-3,-3,7,5)2 久保田愛梨
4豕瀬怜奈 - 巽有里
5坂本芽依 - 原田美音
女子学校対抗優勝 奈良女
▼男子単
準決勝
齋木侑京(帝塚山) 3(6,6,4)0 西優洋(奈良)
井上晴貴(東大寺) 3(-9,11,9,4)1 金子颯真(添上)
決勝
齋木 3(6,-6,4,9)1 井上
男子単優勝 齋木侑京(帝塚山)
▼女子単
準決勝
田渕小梅(奈良女) 3(6,-4,12,-9,4)2 坂本芽依(奈良女)
西村歌音(奈良女) 3(6,4,-5,4)1 豕瀬怜奈(奈良女)
決勝
西村 3(4,8,9)0 田渕
女子単優勝 西村歌音(奈良女)