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新型コロナウイルスの影響により、大会の中止や延期を余儀なくされたが、徐々に再開のニュースが届きはじめている。
様々な困難の中、参加者の想いを大切に、開催にこぎつけた「和歌山県高等学校体育大会卓球競技3年生の部」。実現推進に奔走した和歌山県高等学校体育連盟卓球専門部委員長の田中昌先生にお話を伺った。
和歌山県高等学校体育大会卓球競技3年生の部
7月19日 和歌山ビッグホエール
主催:和歌山県高等学校体育連盟卓球専門部
田中昌
和歌山県高等学校体育連盟卓球専門部委員長
和歌山工業高校
わずかな可能性を信じ、会場を確保し続けた
「本来、今大会が開催された7月19日は7月20~22日に開催予定だった近畿高等学校選手権大会の準備日でした。4月に近畿大会の中止が決定したものの、まさかこんなにコロナ禍が長引くとは思ってもみなかったので、『もしかしたら、その頃には何か代替大会ができるかもしれないね』と、他府県の委員長とも話していたので、会場のキャンセルはせずにいました。
結局は、ブロックレベルの大会開催は厳しい状況であり実現は叶いませんでしたが、3年生が試合をせずに高校生活を終えてしまうのはいたたまれないと思い、また、文科省大臣からも『代替大会の検討を』と、声明があったので、開催の決断をしました。
当日まで開催が危ぶまれたが、恵まれた環境を活かして予防策を徹底
大会直前には県内で高校生のコロナ感染者が出たこともあり、当日まで開催が危ぶまれましたが、無事開催することができてよかったです。参加した3年生も今年度初となる公式戦だったので、すごくイキイキと試合をしていました。
会場となった和歌山ビッグホエールは、過去に全日本実業団やジャパンオープン荻村杯などビッグな大会を開催してきた会場で広さは抜群なので、トーナメントで敗退した選手には3試合ほど交流試合の機会を設けました。
感染予防策については、まずは入館者全員を把握するようにしました。と言うのも、県内では他府県と比べても開催が早かったため、他競技を含める視察員、卒業アルバム用の撮影スタッフなど、参加者以外の入館もあったからです。
また、トイレの制限をしたり、消毒液・シートを多数設置しました。中にはアルコールにアレルギーを持っている選手もいるので、そこも配慮しました。日本卓球協会のガイドラインに沿いながら、事前2週間の問診票の提出、当日検温を徹底。審判カウンター使用の際は、使い捨てのビニール手袋を着用するようにしました。
開始式では、フロアに前後左右2m間隔を保ち、着座の際にはフロアに接触しないようタオルを敷くようにしました。
さらに、観客席も広く使い、1列目は北側の端に、2列目は南側の端に一人ずつ座ることで密を避けました。
憧れの会場でプレー。「やっぱり卓球って面白い!」顧問同士の絆も深まった
今大会に参加した選手の中には、近畿大会に届かない者もいます。一昨年、同会場で全日本実業団選手権を開催し、それを見ていた選手たちは『いつかこんな会場でプレーができたら』という夢を抱いていました。ですから、今回そのような会場で最後に試合ができてよかったという声が届いています。
他にも、久しぶりの試合で足を攣ってしまった選手、当初は参加を見合わせていたものの、顧問の先生の勧めで出場した選手、往復8時間以上かけて出場した選手、皆一様に『やっぱり卓球って面白い!出場して本当によかった!やっぱり卓球が好きなんだと改めてわかった!』と喜びの声を寄せてくれて、私も涙が出るくらい嬉しかったです。
また、開催にあたり、教育委員会がGOサインを出してくれたことも大きかったです。県を挙げて3年生に何か残してあげたいという気持ちが伝わってきました。
今大会を振り返ると、順位を決める試合なので、勝つぞ!という気持ちがあって当然ですが、それ以上に卓球ができる喜びを感じているということが伝わり、こんな大会は初めてだと感じました。サポートしてくださった先生方にも頭が下がる思いで、顧問同士の絆も深まった忘れられない大会となりました」
【大会結果】
▼男子シングルス①角大和(和歌山商)②中岡唯斗(和歌山東)③西山莉功(新宮高)③杉野開(南部)
男子シングルス入賞者
▼女子シングルス①九鬼美晴(向陽)②石井晴菜(和歌山商)③菊地由希子(近代新宮)③中上小澄(同)
女子シングルス入賞者