東京2020五輪　日本男子が銅メダルを獲得！韓国との3位決定戦を制す

東京2020オリンピック卓球競技最終日。

男子団体3位決定戦で日本が韓国を3対1でくだし、見事2大会連続のメダルを獲得し、有終の美を飾った。

一気に流れを引き寄せたのはトップのダブルスだろう。

第1ゲームから気合十分の水谷隼／丹羽孝希ペアは。試合を終えるごとにコンビネーションが上がってきた日本ペアは、ミスの少ないプレーで8-2とリード。終盤追い上げられたが11-9で先制。

第2ゲームは一進一退の展開となるが、3・4球目の早い段階で攻撃を仕掛けた韓国ペアが取り返す。

台上からの展開に巧さを見せた日本ペアが優位に試合を進めた第3ゲーム。丁寧にボールをつなげ、韓国ペアのミスを誘う。第4ゲームもペースを乱さなかった日本ペアが連取して勝利。幸先の良いスタートを切った。

試合を重ねるごとにコンビネーションがよくなり、今大会最高ともいえるプレーを見せた水谷／丹羽

抜群の攻撃力を誇る張禹珍／李尚洙だが、先手を取ることが難しかった

2番は張本智和と張禹珍のエース対決。準決勝からエンジン全開の張本は、この試合でもよく動き、よく攻める。張禹珍のミドル前にストップ、バック深くツッツキミスを誘いながら、隙あらばフォアで豪快なドライブを放つ。9-3のリードから9-7まで追い上げられたが逃げ切る。

第2ゲームは、張禹珍の持ち前の思い切りのよさが光り、積極的に回り込んでフォアドライブを決める。張本にとってのアンラッキーポイントも続き1対1に。

第3ゲームも張禹珍がリードの展開。ストップ対ストップから深いツッツキで張本に持ち上げさせ、それをカウンターで仕留める。5-8とリードを許した張本だったが、ストップ対ストップでわずかに台から出たボールは積極的に攻めていく。この勢いで、10-8と逆転に成功したが、張禹珍も粘りを見せて10-10。ここから2本は、張禹珍のチキータのコースを読んでカウンターで張本が連取。

波に乗る張本は第4ゲームもペースを乱さない。キレのあるチキータで得点を重ねると、最後は張禹珍のフォアサイドからのチキータをフォアストレートに見事に返して勝利を決めた。

終盤はチキータからの展開が光った張本。しっかりとエースとしての役割を果たした

積極的な回り込みフォアドライブが光ったが、張本の勢いに呑まれた張禹珍

王手をかけた3番は丹羽と鄭栄植。立ち上がりから、速攻プレーで先制したのは鄭栄植。2018年の世界選手権でも日本を苦しめたロングサービスが随所で効き、第1ゲームを先取する。

第2ゲーム、丹羽が7-5とリードするも、鄭栄植が鋭いドライブを左右に打ち分けて逆転。丹羽も攻撃を仕掛けるが、鄭栄植の堅いブロックに阻まれる。続く第3ゲームも丹羽は勝機を見出せず。鄭栄植は質の高い両ハンドドライブで得点を重ねて3対0で勝利。

サービスからの得点、粘り強いラリー力で丹羽を破った鄭栄植

サービスで崩され、なかなか自分のペースにならずに敗れてしまった丹羽だが、時折気持ちのいいカウンターが決まっていた

4番は水谷が登場。今大会、勝ち星は初戦のみと悔しい試合がを繰り返してきたが、この試合で意地を見せる。

序盤は、張禹珍のフォアドライブの決定率が高くわずかにリードを許す展開で試合が進む。7-9と水谷が劣勢の場面で、巧みな台上処理でチャンスにつなげ10-9と逆転。ここからジュースに持ち込まれるが、水谷は今大会際立っていた思い切りのいいバックドライブ、質高い台上プレーで14-12で第1ゲームを先取。

第2ゲームは水谷がわずかにリードする展開。要所でストップ対ストップでの精度の高さを見せて得点につなげてこのゲームを連取。

銅メダルに王手をかけた第3ゲーム。水谷の攻撃がさく裂する。スイング後に体が回転するほどの豪快なフォアを決めた3-1の場面で、張禹珍がタイムアウト。しかし、流れは変わることなく水谷の得点が続く。水谷のネットイン、サービスエースに徐々に張禹珍の集中力が乱れていく。水谷は最後まで水谷らしさを貫き、極めてきた速攻プレー、得意の後陣での凌ぎを披露する。9-2とリードし、勝利まで目前となったところで、ここから張禹珍の捨て身の猛攻撃が始まる。思い切った攻撃に、水谷は後手に回り9-5、10-8とまで追い上げられてしまうが、最後は水谷がストップでチャンスメイクし、5球目のフォアドライブが決まって勝負あり。

「水谷さんが攻めて行けと言ってくれたから」(丹羽)、「水谷さんなしでは」(張本)と後輩たちが慕う水谷が、銅メダル獲得を決めた。