がんばろう！卓球人！大分県総体を開催！「選手の涙する姿に『開催してよかった』」

新型コロナウイルスの影響により、大会の中止や延期を余儀なくされたが、徐々に再開のニュースが届きはじめている。

様々な困難の中、参加者の想いを大切に、開催にこぎつけた「大分県高等学校総合体育大会」。実現推進に奔走した大分県高等学校体育連盟卓球専門部委員長の佐藤貴司先生にお話を伺った。

※取材日は、7月29日

大分県高等学校体育大会卓球競技

7月23～25日　杵築市文化体育館

主催：大分県高等学校体育連盟

佐藤貴司

大分県高等学校体育連盟卓球専門部委員長

大分東高等学校

3年生のために！単は3年生を無制限に、１・2年生は参加人数を絞って開催

「4月に県高体連より、全競技の県総体を延期するよう通達がありました。延期とはいえ、理事会に出席した人の話によると中止に近い延期ということだったようです。しかし、その後も討議が続き、6月に休校していた学校が再開したと同時期に開催実施の連絡が来ました。

　会場の確保については、高校の体育館では卓球台が足りないので施設を検討したところ、杵築市文化体育館が偶然空いていたのですぐに確保しました。

　種目は団体とシングルスで、男子約３２０人、女子約１８０人が参加しました。今大会は『3年生のために』という趣旨が大前提にありましたので、当初は3年生のみの参加も検討しました。しかし、県総体と銘打つ以上、1位を決定する大会でもありますし、優勝を目指す実力のある1・２年生の参加も可能となるよう、3年生は無制限、１・２年生については各校6名以内という参加枠を設けました。（例年は各地区に通過人数を設定した地区大会（県総体予選会）を実施後、通過者のみが県総体に参加）

感染予防策に注力。「どの競技よりも徹底されている」と好評価

　開催にあたり、通常の運営だけであればノウハウのある役員がそろっているので問題ありませんが、感染予防策となると、とても大変でした。高体連本部がやっと開催を決断したという状況の中で、やるからには感染者を出してはいけないと準備に奔走しました。ただ、間に合っていたのか、不安でもあります。

　事前に各学校で健康調査をし、申込書と一緒に印鑑付きの保護者同意書を送付していただくというのが、高体連本部から指示された参加条件でした。

　　会場は、以前国体を開催しているほど整った施設で、出入口が一ヶ所のみという点が特に役立ちました。と言うのも、これが地下駐車場や2階にも出入りできるとなった場合、予防策の観点では困難になるからです。

　また、観客席とフロアを繋ぐ階段も分けることができたので、正面に向かい合うようなことは避けられました。

さらに、高体連本部が用意くださった消毒備品を各コートや通路に置くことで、こまめな消毒を促し、選手が勝敗の報告で本部に来た際は、ビニールシートで仕切ることで対策しました。マスク着用もそれぞれ徹底し、試合後には審判カウンターやフェンスなど、備品も選手が各自消毒を行ってくれました。選手たちは日ごろから予防策を徹底していたようです。

　今回、卒業アルバム用の写真を撮影するため業者が入りましたが、『どの競技よりも対策を徹底されていますね』と評価いただきました。

選手の頑張りに「開催してよかった」。一つの区切りに

　困難な中ではありましたが、本気で戦って涙を流している3年生の選手を見かけた際には、開催してよかったと思いました。中には、進学や就職に切り替えるのが遅くなるのではないかという意見もありましたが、参加選手は『無事に終えられた』と区切りがつけられたのではないかと思います。

　コロナ禍で県内の大会も中止が続いている中、今大会が今年度の県内初の開催ということで、県連盟からも注目されていたので、プレッシャーもありましたが、これを成功させられれば、これを皮切りに他の大会も開催されていくのではないかと思います。

【大会結果】

▼男子学校対抗

①明豊②別府溝部学園③杵築③中津南