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昭和22年創刊、800号を迎えたニッタクニュースのバックナンバーから編集部がピックアップしてお届けするページです。
第3回は伊藤美誠選手です。
中国選手がなぜ強いのか、勝つためには何が必要なのかを分析します。
*所属・年齢は当時のままです。
*ここに紹介の記事は、本誌記事を一部抜粋、編集しています。文中敬称略
本誌記事ページはこちら!
2020年へのイメージはできている
2年前の2015年の世界選手権蘇州大会に初出場。女子シングルスでベスト8入り。世界に衝撃を与えた。そのまま疾走した伊藤は、リオ五輪出場を達成。さらに成長を遂げた。
平成28年度全日本選手権(2017年1月)が終わり、世界選手権の代表が発表され、リストに伊藤はシングルス、ダブルスにエントリーされていた。
世界選手権前に、アジア選手権で試合ができ、なおかつ世界選手権で使われる大会球(ニッタク)でプレーできたことが大きかった、と話した。
「早田選手とのダブルスは、1月に発表されましたけど、実際に練習できたのは2カ月間ぐらい。ペアを組む期間が短くて、いきなり試合に臨むのは、難しい部分があります。
ただ、アジア選手権という大きな舞台で、世界選手権と同じニッタク3スターボールで試合ができたことで、アジアの選手がどういうプレーをしてくるのかの情報が手に入りましたし、そして、メダルが取れたことは自信につながりました」
ペアを組んだ期間は短かったが、お互いに組みにくさはなかったという
アジアから世界へ
世界選手権デュッセルドルフ大会の組み合わせは、現地時間の27日に発表された。
「ダブルスに関して言えば、実際にチャンスがある。チャンスはモノにしないといけない、と思ったのが本音です。ただ、世界選手権は何があるかわからない、ということを経験していたので、気持ちは引き締めていました」
女子ダブルスが始まる。お互いがお互いをフォローし合う内容で、順調に勝ち進み、メダルが確定。準決勝では、丁寧(アドバイザリースタッフページ)・劉詩雯(中国)と対戦する。試合は接戦となるも、あと1本が取れず、ゲームカウント1対4で敗戦する。
「最初の2ゲームを取れていたらわからなかったです。チャンスはあるな、と感じていました。
しかし、2本差でリードした場面や、チャンスの時を活かせない。そこの場面で点数を取れた方が、勝つ、とわかっているのですが、点数が取れない。やはり、精神面、技術面が足りないんですよね」
ただ、普段ならつなぐようなボールを強気にいけたこと、サービス、レシーブ、3球目攻撃は通用したことや、試合を最後まで楽しめたことは良かった、と冷静に分析した。
中国選手と互角以上に渡り合った
戦術転換。「1本」の重み
伊藤はシングルス4回戦で朱雨玲(中国)と対戦。互角以上のラリー、特にバックハンドのラリーでは伊藤が上回っていたが、ゲームカウント2対4で敗戦してしまう。
「勝てるチャンスは十分にありました。しかしダブルス同様、最後が取れない、リードしていても突き放せない、という印象です。本当に中国選手は戦術転換がすごく早く、引き出しがたくさんあるんです。
女子シングルス決勝を見てもそう。丁寧選手は決勝の舞台を何度も経験しているのに対し、朱選手は、経験していない。そこの差が思い切りの差につながったと思うんです。どちらが勝ってもおかしくない内容でしたけど、丁寧選手の方が、試練を多く乗り越えてきているからこそ、優勝できたんだなと思います」と感想を話す。
大会を通じて世界に通用する戦いを見つけた
もう怖いチームなんてない
世界で勝つために、通用した部分もたくさんあったと話す。
「攻めて行く姿勢は良かった。特に、中国人選手には攻めて行かないと勝てない。どんどん攻めて行かないといけない。
ただ、攻めるだけでなく、安定性を高めた攻めをしないと点数が取れないと思います。
また普通に攻めるだけでなく、自分自身のオリジナリティ、独自の部分の精度をあげること。そこが大きいと思います」
目標はあくまでも2020年の東京五輪とも話した。
「来年から世界ランキングのシステムも変わります。1試合1試合頑張って、1つ1つ世界ランクの階段を上がっていきたい。
日本選手のレベルが非常に高いので、世界選手権に出るのも難しい。ただその分、切磋琢磨できるし、成長ができる。
日本選手のレベルが高くなることは、団体戦の時は有利。もしかしたら、2020年には、最強のチームができ上がると思うとワクワクしますし、その一人でありたい」
世界で戦うことを肌で知る。若いうちから刺激を得ることは、実力をつけること、新たな成長をするためには、必要不可だ。
2020年まであと3年。伊藤は目標に向かって疾走する。
次回は11月6日に配信!
早田ひな選手が2017年世界選手権を振り返ります!