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2020.12.07

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がんばろう!卓球人!神奈川県で3年生大会を開催!「試合ができる喜び。新任として試行錯誤しながら開催を」

  • 7月にオープンしたばかりの横浜武道館で行われた待ちに待った大会で、選手は躍動した

 新型コロナウイルスの影響により、大会の中止や延期を余儀なくされたが、再開のニュースが届きはじめている。

 様々な困難の中、参加者の想いを大切に、開催にこぎつけた「神奈川県高等学校3年生大会(代替大会)」。実現推進に奔走した神奈川県高等学校体育連盟卓球専門部委員長の柏木孝夫先生にお話を伺った。

※取材日は、8月31日

 

神奈川県高等学校3年生大会(代替大会)

8月30日 横浜武道館

主催:神奈川県高等学校体育連盟

主管:神奈川県高等学校体育連盟卓球専門部

後援:神奈川県教育委員会

 

 

平岡可奈之神奈川県高体連卓球専門部部長(左)と柏木孝夫神奈川県高体連卓球専門部委員長

 

 

柏木孝夫(かしわぎ たかお)

神奈川県高等学校体育連盟卓球専門部委員長

神奈川県立鶴嶺高等学校教諭

 

 

真新しい体育館で3年生のための大会を

「3月末に関東高校大会の中止が決定しました。今年は神奈川県での地元開催ということで準備を進めていたのでショックでした。ただ、インターハイは実施されるだろうと準備をしていたのですが、それも4月末には中止が決定しました。関東大会県予選がなくなり、県高校総体だけでもと検討しましたが、それも叶いませんでした。

 その後、3年生のための代替大会の開催を検討したところ、神奈川県では8月いっぱいは開催ができないとの通達がありました。県高体連としては、9月に開催を検討しましたが、9月になってしまうと3年生は入試モードに切り替えてしまうので、参加の見込みは厳しくなることが予想されました。しかし、県高野連が口火を切って8月の代替大会開催を決定し、それに伴い県高体連も8月中の開催を許可するようになりました。とはいえ、会場となる体育館もまだ正常に機能していないところが多く、確保が難しかったのですが、県卓球協会が国体関東ブロック大会で抑えていた横浜武道館が、国体中止によって空いたため、譲っていただけることになりました。そのおかげもあり、なんとか8月開催にこぎつけることができました。

 横浜武道館は今年7月末に完成したばかりの体育館で、本来であればこの3年生大会の前に、すでに他の大会が開催されている予定だったのですが、中止が重なり、この大会がこけら落としとなりました。卓球台も初めて使用するということで、ニッタクの社員さんがいらして、設置方法などのレクチャーを受けました。参加した選手たちは、始球式のような気持ちで喜んでいました。

 

時間制でなるべくたくさんの試合をこなせるよう工夫

 種目は団体戦のみとしました。というのも、個人戦だと一日中会場にいる必要があり、どうしても昼食をまたぐため、密となってしまうからです。団体戦であれば、入れ替え制にでき、最低2試合できるようすることで、各校一人1、2回は試合ができる計算となります。また、時間制としたことで、早く決着がついた場合でも残った時間での練習試合を許可するなど、3年生が少しでも多く試合をできるよう工夫しました。試合形式は、今年度の全国高校選抜大会で採用される5シングルス制。2台進行にすることでスムーズにできました。

 3年生の参加人数は無制限としました。ただ、フロアに降りられる人数が制限されていたため、ベンチは7名まで、それ以上は観客席から応援という形とし、フロアに降りる場合は、ベンチから入れ替わりで観客席に上がるようにしました。

 感染予防対策については、観客席使用の制限、健康チェック表の提出、受付は顧問と選手を分ける、出入り口での手指消毒など徹底しました。

 2台進行だったため、ベンチに入る選手の間隔も十分に空け、卓球台の4m間隔も遵守しました。役員はフェイスシールドを着用し、選手もプレー以外でのマスク着用は必須としました。ベンチの生徒は、声は出さずに拍手のみの応援をしっかりと徹底してくれました。

 当日来場された県高体連理事長からは、「感染症予防対策がしっかりとなされており、選手の取り組みも非常に整然としていてよかった」とお褒めの言葉をいただきました。

 

試合ができることに喜び。県卓会長の涙

 参加した選手たちは、試合ができる喜びを感じていたように思います。普段のように声を掛け合って、盛り上がる雰囲気ではありませんでしたが、ボールに集中して、卓球ができなかった時の想いをぶつけて発散していたと思います。

 大会当日には、県卓球協会の山口宇宙会長をはじめ、高体連OBの方々が来場し、選手たちに挨拶をしてくださいました。山口会長は「こんなに大変な状況で半年近くも試合ができないなんて…」と彼らの心情を涙ながらに語られ、その様子に涙を流している生徒も見受けられました。

 

新任として試行錯誤しながら開催できた

 今年から委員長を仰せつかり、ただでさえ試行錯誤の中で、さらに経験したことのない事態に直面することとなりました。本来であれば引退となる丸山前委員長に、副部長として高体連に残っていただきました。また、重鎮でもある平岡部長、近藤副部長、相川副委員長と十数回のリモート会議を重ね、準備しました。

 全体の専門委員会もなかなか実施できずにいましたが、7月初旬に行い、意思疎通をとりながら、ここまで来ることができました。

 今後もさらに感染予防対策徹底などアップデートしながら、大会を開催していきたいと思います」